事業を進めていくと、さまざまな課題が出てくるであろうことは皆さんも想像がつくでしょう。その原因は戦略ミスの可能性だったり、人材不足だったり企業ごとに異なります。
そのような課題解決をするうえで注目を浴びているのが「顧問」です。その中も営業顧問というものがあります。今回の記事は、営業顧問について詳しく解説します。
必要とされる営業顧問になるためのポイントも紹介していますので、顧問としての活動に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
営業顧問とは?業務内容や報酬について解説
通常の顧問と営業顧問にはどのような違いがあるのでしょうか?気になる報酬についても解説します。
営業顧問とは「営業」に特化した顧問のこと
営業顧問とは、その名のとおり「営業」に特化した顧問のことです。その業務はさまざまですが、例えば売り上げを伸ばすための営業戦略を考えたり、営業メンバーの育成サポートを行なったりします。
新規取引先と、顧問先の企業を繋げる役割を担うことも。ゼロから開拓ではなく、これまで築き上げてきた人脈を元に行なうので、商談までスムーズに進みやすいことが特徴です。
似ている役職に相談役がありますが、明確な違いがあります。相談役は経営上で起きたさまざまなトラブルについて相談を受けたり助言したりしますが、営業顧問は営業に特化した分野で支援やサポートを行ないます
スポット契約と長期を前提とした契約がある
顧問として活動するには、企業と契約を結ぶ必要がありますが、契約には短期間のスポット契約と、長期間を前提とした契約があります。
基本的に長期を前提とした契約は「顧問契約」です。長期的に営業支援をお願いしたい場合は顧問契約がおすすめですが、一時的にお願いしたいという企業もあります。そんな時に便利なのがスポット契約です。
顧問紹介や派遣サービスには両方の案件を取り扱っていることが多いので、どちらが自分に合っているかは顧問登録したときに相談するとよいでしょう。
営業顧問の報酬は契約内容による
気になる営業顧問の報酬ですが、これは企業との契約内容によります。業務内容はもちろん、月の勤務日数や、常勤か非常勤によっても異なるので、ここでは顧問派遣サービスを利用した場合の一般的な相場をお話しましょう。
派遣会社を通して活動した場合は、報酬は派遣会社と折半となります。例えば月2回の出社で企業が支払う報酬が30万だった場合、そのうちの何割かを派遣会社がもらいます。
割合は5割から7割程度です。その金額を差し引いた残りが顧問に支払われます。そのため顧問に支払われる報酬は5割なら15万円、7割なら9万円となります。派遣会社を通さず直接契約すれば、折半する必要がないので10割の30万円をもらえるでしょう。
顧問は複数の企業と契約することが可能なので、たくさん稼ぎたいと思ったら複数の企業と契約するのがおすすめです。なかには会社員時代の月収を超える人もいます
【顧問として働いた報酬は?】培ったキャリア知識で顧問として働く
企業側が求めている営業顧問4つの特徴
企業側はどのような営業顧問を求めているのでしょうか?企業から必要とされる営業顧問の特徴を4つに分けて解説します。
過去に営業としての実績がある人
やはりこれまでに営業として高い実績がある人は、営業顧問として必要とされるでしょう。ただ、知識を持っていても業務で活かせず、実績を上げられなければ意味がありません。
「過去に、自社商品の別の特徴を活かした戦略で、前年比150%超えの利益を出しました 」や、「社内営業スタッフの育成に長年携わり、多くのスタッフの成績を上げました」など具体的な実績を持っている人は、それらをアピールすることで契約を結べる可能性が高くなるでしょう
幅広い人脈を持っている人
幅広い人脈を持っている人も、営業顧問としての需要が高いでしょう。特に大手企業の社長や役員、決裁者との人脈を持っていると評価されやすいです。
ゼロから新規開拓を行なう場合、通常の営業スタッフでは決裁者までたどり着けずに終わってしまうことも多く、商談まで結び付けるにはかなりの時間を有することがあります。
しかし営業顧問の人脈を活用することにより、スムーズに短期間で商談まで進める可能性がでてくるのです。企業は、これまでアプローチできなかった業界に対しても営業活動ができるようになるかもしれません。
もしそのような人脈を持っているのであれば、営業顧問として活動してみると良いかもしれません。
企業の要望やニーズにスピーディーに対応できる人
企業は短期間での成果が出ることを期待して、営業顧問を迎えることも多いです。そのため営業顧問は、企業の要望やニーズをしっかりと把握して最短で結果を出すことが求められます。
慣れないうちは、なかなか難しいかもしれません。しかしサポートに慣れてきて短期間で成果を出すことができれば、企業からの信頼も高くなるでしょう。
企業側も短期間で課題解決を実現できれば、かかるコストも低くなります。そのように結果を出し続ければ、人気の営業顧問となれるでしょう。
企業の現状をしっかりと把握してくれる人
顧問として活動するのであれば、これはとても大事なことです。顧問には内部顧問と外部顧問があります。内部顧問は社内にいた人が就任するので、社内の実情には詳しいでしょう。外部顧問は社外の人間なので、社内の現状を全く知らない状態から始めることになります。
「どのような現状で、企業は何を求めているのか?」の部分をしっかりと理解できていなければ、適切な支援はできません。顧問として活動するならば、ヒアリング力を身に着けておくとよいでしょう。
信頼される営業顧問になるための3つのポイント
求められる営業顧問の特徴について解説しましたが、ここでは信頼される営業顧問になるための3つのポイントを紹介します。営業顧問に限らず、顧問として大切なことなのでしっかりと身に着けておきましょう。
責任感をしっかり持って取り組むこと
これは顧問として活動するならば大前提です。経営の要となる部分を信頼して任せています。
ときには、非常に難しい場面に直面することもあるかもしれません。
それでも責任をもって適切かつスピーディーに進めることを意識して、取り組むことで企業からの信頼も厚くなるでしょう。
自分のスキルや強みを理解していること
先ほども解説しましたが、企業側は実績や幅広い人脈を持っている人を求めています。営業顧問として活動するならば、まずは自分のスキルや強みを理解しましょう。
これまでの経歴を洗い出すことにより、新たな強みが発見できるかもしれません。人脈の洗い出しもしておくとよいでしょう。多ければそれだけ企業側からの信頼も上がる可能性が高くなりますし、自分でもきちんと把握しておくことでスピーディーな対応が可能になります。
コミュニケーション能力を磨いておくこと
顧問として支援するにあたり、一人で黙々と事業戦略を立てたりするわけではありません。企業の課題や現状をヒアリングしながら、どのように改善していけば良いのかを経営者と話し合いながら進めていきます。
コミュニケーションがうまく取れないと、相手側の不信感が募ることになりかねません。最悪の場合契約解除ということも。「相手の話を聞く」、「自分の意見を伝えられる」、「適切に物事を説明できる」などのコミュニケーション能力を磨いておくことによって、スムーズな支援が可能になるでしょう。
まとめ
営業顧問について解説しました。営業に特化した支援を行なう営業顧問は、営業分野で長年経験を積み、実績やスキルがある方なら 、これまでの営業実績や幅広い人脈が活かせる仕事です。
企業の経営課題をしっかりと把握し、責任を持って適切かつスピーディーな支援を意識しながら取り組むことで、今度は営業顧問としてのキャリアを積むことができるでしょう。
これまで普通の会社員だった人が「実務型顧問」として働く例も増えてきています。筆者も顧問紹介や派遣サービスを利用して、実務型顧問として活動していますよ。
長年営業に携わってきて顧問に興味がある人は、営業顧問として活動することを視野に入れてみてはいかがでしょうか?
「実務型顧問」として第二の人生を踏み出す!あなたのスキル経験を強みに