顧問や相談役と聞くと、なんとなくイメージはつくものの、違いがわからないという人は多いと思います。
筆者も最初はまったくわかりませんでしたが、顧問として活動をはじめた今では、理解できるようになりました。
今回の記事は、顧問、相談役、参与という3つの役職の違いについて、どこよりもわかりやすく解説します。
最近注目を浴びている顧問として活動する方法も紹介しているので、顧問に興味がある方には参考になる記事となっています。ぜひ最後までご覧下さい。
顧問の役割を改めて知ろう!
このサイトの他の記事をお読みいただいていたら、顧問についてはもうご存じかもしれません。しかし初めてこのサイトをご覧いただいている方へ、あらためて顧問とはどのようなものか解説します。
顧問とは知識を活かして、経営を支援する人
顧問とは専門的なスキルや知識を活かして、日常的な経営や事業に関するアドバイスを行なう人のことです。アドバイザーやブレーンと呼ばれる場合もあります。
顧問は取締役などのように、会社法で定められている役職ではありません。そのため企業によって設置していない場合も。待遇や報酬はさまざまで、各企業で設定することができます。
どうしたら事業が成長するかを考え、サポートや支援を行いますが、意思決定権はありません。
顧問には外部顧問と内部顧問がある
顧問には大きく分けて2種類あります。それが外部顧問と内部顧問。
内部顧問とは、社内にいた人から選ばれて顧問活動を行なう人です。役員を務めていた人が就任するケースが多い傾向にあります。
一方、税理士や弁護士など専門的なスキルを持った外部の人間と、契約を結んだ場合は外部顧問といいます。客観的なアドバイスをもらえ、必要な時に利用できるので、内部顧問よりも増えている傾向にあります。
近年では実務型顧問と呼ばれる新しいタイプの顧問も登場。スキルを活かしたアドバイスだけではなく、より現場に近い位置で支援を行ないます。
顧問と聞くと、役員や偉かった人が就任するイメージが強いかもしれません。しかし、実務方顧問は専門的な知識やスキルがあれば、普通の会社員でも可能です。実際に筆者も実務型顧問として活動しています。
あなたがこれまで培ってきたスキルや経験は、実務型顧問として活動するために役立つかもしれません。
顧問の報酬について
顧問の報酬は契約形態や勤務日数、契約企業数によって異なります。例えば、顧問を派遣するサービスを利用している場合。1社と契約し、月2回出社した場合の報酬は9万~12万円が相場です。あいだに派遣会社が入っているので、このくらいの報酬となりますが、直接契約した場合はもっともらうことができるでしょう。
また、顧問は複数の企業と契約が可能なので、数社と契約できれば月に50万以上稼ぐことも十分可能です。
相談役とは?報酬についても解説
では相談役とはどのような役割なのでしょうか?報酬についても解説します。
相談役とは経営上で生じた問題を相談されアドバイスする人
日常的な経営に関するアドバイスを行なうのが顧問ですが、相談役は経営していくうえで生じた問題に関してアドバイスや支援を行ないます。
例えば、顧問は経営戦略や事業成長のための支援が多いですが、相談役は著作権侵害や、情報漏洩など臨時で起きた問題についての支援を行ないます。ただし、企業によっては別の役割を持つ場合も。
立ち位置は顧問とほぼ同じと考えてよいでしょう。同じく意思決定権はなく、こちらは社長やCEOを務めていた人が就任することが多い傾向にあります。
相談役の報酬について
企業により報酬はさまざまです。一般的にはその企業の役員と同等の報酬となることが多い傾向にあります。
しかし大企業となると2,000万円を超える報酬を支払うこともある一方、一般社員よりも低い報酬の場合もあるようです。非常勤だと無給であることも。企業により、かなり差が激しいといえます。
参与とは?報酬についても解説
参与という役職は、聞きなれない人も多いのではないでしょうか。参与についても一緒に見ていきましょう。
参与とは意思決定権を持ち経営者を支える人
参与とは専門的な分野で、経営者と同等の能力が求められる役職です。実際の業務を行ないながら経営者を補佐する役割を持ちます。部下は持ちません。
立ち位置としては顧問や相談役の次となり、本部長や部長クラスと同等の立ち位置が一般的です。
管理職の経験者が定年後に就くことが多く、仕事内容は理事や参事と似ています。意思決定権がない顧問や相談役と違い、実際の業務を行なう参与には意思決定権があります。
参与の役職についている人を何と呼べばいいかわからない人もいるかもしれません。呼び方は「苗字+参与」で大丈夫です。
参与の報酬について
参与の報酬ですが、部長と同クラスであることが一般的とはいえ、報酬も同クラスとは限りません。その人の前職と同等の報酬額を設定することが多いようです。
例えば前職が監査役で、その後参与に就任した場合。前職の監査役の報酬と、同等の報酬が設定されるということになります。しかしこれはあくまで一般的な設定方法です。報酬の設定は企業により異なる場合があります。
顧問や相談役を廃止する企業が増えている?
いろんな視点から経営に関するアドバイスをする顧問や相談役ですが、近年では廃止する企業も増えてきています。ここではその理由を解説します。
顧問や相談役を廃止する企業が増えている理由
顧問や相談役は会社法で定められておらず、各企業で自由に設定が可能です。長年その企業で務めた上司が就任することも多いため、本来ないはずの意思決定に関する権限を持ってしまうことも。
これによりトラブルが起こると、責任はすべて社長や本来の決定権を持つ人間がかぶり、口を出した相談役や顧問が責任を逃れるというトラブルが多発。役割が不透明である場合も多いことから、廃止する企業が増えています。
外部顧問の依頼は増えている
廃止している企業が増える一方、実は外部顧問の利用は増加傾向にあります。外部顧問のメリットは大きく分けて3つ。うまく利用することで、業績の向上につながります。
- 必要な時に必要な期間利用が可能
- 客観的な視点やアドバイスがもらえる
- 社内にはないプロの知識を持って課題解決できる
さらにこの記事の冒頭で触れた実務型顧問の需要も増えています。上記のメリットはもちろん、コンサルを企業に依頼するよりも安い金額で、課題解決できるのが魅力です。
実務型顧問は専門的な知識やスキルがあれば、これまで普通の会社員だった人も活動できるチャンスがあります。
おすすめは、顧問を専門に取り扱う派遣サービスに登録すること。筆者もこの方法で実務型顧問として活動できるようになりました。
登録は無料であることが多く、あなたのスキルに合う企業とマッチングするお手伝いをしてくれます。
まとめ
顧問と相談役、参与の違いについて解説しました。それぞれ違いはありますが、細かな部分は企業により異なるのが現状です。
近年では、これらの役職を廃止する企業も増えていますが、反対に専門知識を持ってアドバイスや支援をしていく外部顧問や実務型顧問は需要が増えています。
顧問派遣サービスを利用することにより、あなたも顧問にチャレンジできる可能性があります。定年退職後のセカンドライフを考えている方は、顧問という働き方を視野に入れてみてはいかがでしょうか。