この記事をお読みのあなたは、早期退職を検討されているかもしれません。制度について知ってはいても、実際にやるとなると不安な部分も大きいですよね。
「どんな人が早期退職に向いているのか」
「早期退職するとどんなメリットがあるのか」
この記事では、そんな疑問を持つ方に向けて、早期退職のメリットや退職後の選択肢についてご紹介します。
早期退職制度とは
早期退職とは、社員が自ら希望して通常の退職年齢よりも早めに退職できる制度です。「希望退職」という形なのでリストラとは全く別物です。早期退職は金銭面などでメリットが多く、早く仕事を引退したい40代〜50代の人なら関心の高い話題でしょう。
制度を使う際は会社側が募集をかけ、応募者の中から早期退職できる人が決まる形になります。会社側としても「人件費が削減できる」などメリットが大きいので、積極的に募集している企業もあるようです。
2021年上半期の時点で早期退職者を募った企業の数は50社、募集人数は1万人以上に達したそうです。(東京商工リサーチ調べ)
制度を取り入れているところはそこまで多くはないですが、経営難の大企業などでも徐々に利用されはじめてきています。
早期退職のメリット
ここでは退職者側の主なメリットをご紹介します。
退職金が割増しされる
早期退職制度を使って退職した場合、早く退職する代わりに退職金が通常より多めにもらえるケースがあります。
業績が好調な企業であれば、割増退職金として1,000〜4,000万円ほどもらえることもあるようです。平均的な割増退職金は年収の2倍と言われていますが、実際の金額は企業の制度やそのときの業績によるところも大きいので、気になる場合は自社の制度をきちんと確認してみましょう。
自由な時間が手に入る
今まで仕事に費やしていた時間は、早期退職するとすべて自由な時間に変わります。
チャレンジしてみたい目標や夢がある人は、まとまった自由時間が取れるようになることは大きなメリットに感じるでしょう。
目標が無い人でも、今まで休みなく働いてきた自分をゆっくり労ってあげる時間を取れるのでいいですね。
会社都合で退職できる
早期退職は「会社が募集した内容に社員が同意する」という形なので、「会社都合の退職」として扱われます。
そうなると
- 失業給付金が早くもらえる
- 失業給付金がもらえる期間が長くなる
といったメリットが生まれます。
自己都合の退職だと失業給付金がもらえるのは退職の3ヶ月後からになりますが、会社都合の退職だと最短1週間から受給できるので、これは社員側にとっては大きなメリットです。
新しいキャリアに手を出せる
早期退職は、何か新しいキャリアに踏み出したい人を後押ししてくれる制度です。
自由な時間とまとまったお金が手に入るので、新たなキャリアを歩み始めるには申し分ない環境が揃います。
「40代、50代からでも新しいことにチャレンジしたい」「体力があるうちにセカンドキャリアを始めたい」という方にはぴったりですね。
早期退職のデメリットも紹介
早期退職にはメリットだけでなくもちろんデメリットもあります。早期退職のデメリットをご紹介します。
収入や生活基盤がなくなる
自由な時間と引き換えに安定した収入や「仕事」という生活基盤がなくなるのが、早期退職のデメリットです。
失業保や退職金で当面の生活はまかなえたとしても、金銭的に十分な蓄えがないと、突然の出費があった時などに心許なくなってしまいます。退職前の40〜50代で、新しい職や不労所得など安定した収入の柱を確保しておくことが大切です。
また金銭面以外でも、これまで仕事に費やしていた時間が丸々自由時間になることで、「やるべきことが見つけられず生きがいをなくしてしまう」ということもあり得ます。退職後の生活はすべて自分にかかっているからこそ、自分からやりたいことを見つけて動いていかないと、せっかくの退職後の暮らしも味気ないものになってしまいます。
年金の支給額が減る
年金には
- 20歳から60歳までに払った保険料に応じてもらえる「老齢基礎年金」
- 厚生年金の被保険者期間が1年以上あればもらえる「老齢厚生年金」
の2つがあります。
老齢厚生年金は退職前の収入などを元に決められるため、早期退職して無職になったり転職して収入が減ったりすると、もらえる額も少なくなってしまいます。さらに、退職後の収入によって保険料が免除されると、老齢基礎年金の支給額も少なくなってしまいます。
このように将来もらえる年金額が減ってしまう可能性があるのが、早期退職のデメリットです。
年金の受給開始が早まると受給率も減ってしまいます。早期退職を考えている方は、事前にそのあたりについてもシュミレーションしておきましょう。
再就職するのが大変
早期退職してから新しい仕事を見つけようと思っても、40代、50代になってくると再就職のハードルが上がってきます。
何か特別なスキルがある場合を除いて、それくらいの年齢から未経験の職種にチャレンジしたり正社員として転職したりとなると、なかなか厳しいのが現状でしょう。
就職できたとしても前の職場より収入が減ることも十分考えられるので、そのあたりをよく考えてから退職しないと後々困ることになってしまいます。
早期退職を成功させるコツ
早期退職して理想の暮らしを送るには、退職の事前準備が大切です。
事前準備として考えておきたいことは、
- 退職後にやりたいこと
- 退職後の収入源
の2つが挙げられます。
退職後にやりたいことは、退職前の段階からじっくり考えておくことをおすすめします。「やりたいこと」というのはすぐに見つかるものでもないので、日頃から自分の興味の幅を広げておくといいでしょう。
また、退職後やりたいことに資格が必要であれば、退職前から資格取得などの準備を整えておくのもおすすめです。
また、退職後の収入源についても事前準備しておきたいところ。退職金などの収入もありますが、それだけを当てにしてしまうと何か合った時のリスクが高いです。
やはり安定した収入が無いとケガや病気の時などにも困るので、退職前に転職についてリサーチしておくと安心して退職の日を迎えられるでしょう。
早期退職後は実務型顧問の道がおすすめ
いざ早期退職後に働こうと思っても、自分に合っている仕事は何なのかお悩みの方も多いでしょう。ここでは、早期退職した40〜50代の方におすすめの「実務型顧問」という働き方についてご紹介します。
実務型顧問という働き方とは
「実務型顧問」とは、企業の顧問の一種です。専門分野の知識やスキルを持った外部の人材が務め、企業の課題を解決できるようなサポートを行います。
- 人事、人材育成
- マーケティング
- 生産管理
- IT関係
など、さまざまな分野の問題に実務的なアドバイスをすることが、実務型顧問の仕事です。
実務型顧問の仕事内容については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
実務型顧問がおすすめの人の条件
実務型顧問として働くのがおすすめの人は、以下の通りです。
- 何かしらの専門スキルや知識が豊富な人
- 経験を生かせる仕事がしたい人
- 早期退職後も安定収入を得たい人
実務型顧問は、長年の経験から得た知識やスキルを、企業の課題解決に向けて提供します。自分にとって当然のことも、他の会社からしたら貴重なアドバイスになるかもしれません。
長らく会社でまじめに働いてきた人であれば、何かしら力を発揮できる分野があるはずです。何か1つでも得意な分野があれば、早期退職後も実務型顧問としてのキャリアを築いていけるでしょう。
実務型顧問として働くメリット
実務型顧問は、早期退職後もこれまでのスキルを生かしたい人や、自分らしい働き方で収入も得たい人にはぴったりの働き方です。
実務型顧問の平均収入は、月10〜50万円ほど。報酬は活動内容によってかなり変わってくるので、働き方次第ではサラリーマン以上の収入を得ることも可能です。
安定収入を得られるかは自分の働きにかかっていますが、「月数日のみ働く」など働き方を柔軟に選べるメリットもあります。
早期退職後に自由度の大きい暮らしをしたいなら、実務型顧問という選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
早期退職のメリットと、退職後におすすめの「実務型顧問」という働き方についてご紹介しました。
早期退職は利用できる会社が限られている制度ではありますが、これからますます注目されてくることが考えられます。ある日突然「早期退職」という選択肢が出てきてもいいように、40代以上の人は日頃から退職後のキャリアプランなども考えておくのがおすすめです。
このブログでは早期退職後におすすめの「実務型顧問」という働き方について、リアルな情報を発信しています。実務型顧問の働き方に興味がある方はぜひ他の記事にも目を通してみてくださいね。
40〜50代の人が定年前にしておきたい準備についてはこちら。