働くのはやりがいも大切だけど、やはり「報酬面」で納得できなければ始まらない。そう考える方も多いのではないでしょうか。
ここでは、顧問の中でも今注目の「実務型顧問」にスポットをあて、報酬の相場を解説していきます。また「実務型顧問」として働くにあたり、報酬に関して押さえておきたい「考え方」も合わせてご紹介します。
この記事の内容は以下の通りです。
- 「実務型顧問」業態別の報酬相場
- 「実務型顧問」契約形態と報酬相場
- 「実務型顧問」の報酬にまつわる必要な考え方
- まとめ
顧問として納得し、安心して働けるように徹底解説していきます。ぜひご参考ください。
「実務型顧問」業態別の報酬相場
顧問には大きく分けて、「内部顧問」と「外部顧問」があります。内部顧問はもともとその会社で役員や管理職だった人が就いたりするケースで、外部顧問は会社とは全く関係のない人物が顧問に採用されるケースです。
→詳しくはこちらの記事をご参考に
顧問とは会社にとってどんな役割?関係性やメリットについても解説!
外部顧問の中でも、弁護士や税理士のように何かの部門に特化した専門家としてではなく、「サラリーマンとして現場を経験したことのあるエキスパート」を採用する「実務型顧問」が今注目されています。実務型顧問は業界を問わずニーズが高く、さまざまな分野での活躍が可能です。下記はその報酬相場の一例です。
【業態別報酬相場】
●経営コンサルタント…月20~50万円程度
●営業顧問…月型固定報酬 月10~50万円程度
アポイント成果報酬型 月数万円~10万円程度
売上成果報酬型 売上金額の10~50%程度
●技術顧問
「常勤」…年間500万円~1000万円もあり
「非常勤」…月2~4回程度の出社で月9~20万円程度
「実務型顧問」契約形態と報酬相場
実務型顧問の契約形態は、主に派遣会社と顧問間で結ぶ「業務委託契約」です。まれに企業と顧問が直接契約する場合もありますが、圧倒的に派遣会社との「業務委託契約」が占めています。
業務委託契約
この契約には2つパターンがあります。
- 派遣会社が顧問と企業の間に入る《コンサルティング型》
- 派遣会社は紹介をするのみで、契約は顧問と企業間で行う《マッチング型》
《コンサルティング型》は、顧問選定から契約まで派遣会社に全てを任せられるところがメリットではありますが、3者間契約のため成果に関わらず中間マージンが発生するのがデメリットです。
《マッチング型》は、顧問選定から契約まで全て顧問と企業間で行うという労力は必要ですが、中間マージンは0円(もしくは少額)のため、予算の少ない案件にも顧問を採用できるというところがメリットです。
近年では顧問側に報酬面で有利な《マッチング型》への登録者が増えています。
【業務委託契約の報酬相場】
《コンサルティング型の場合》
- 企業が支払う「顧問料」を派遣会社と顧問で分配
- 【例】月2回出社で月30~40万円が相場
- 派遣会社と顧問で折半の場合⇒顧問の報酬は「15万円~20万円」
- 派遣会社と顧問の割合が7:3の場合⇒顧問の報酬は「9万円~12万円」
《マッチング型の場合》
- 中間マージンがなければ、企業からの「顧問料」は100%顧問へ
「実務型顧問」の報酬にまつわる必要な考え方
実務型顧問は今までのキャリアを生かせる働き方として注目を浴びていますが、派遣会社に登録しただけで実際には稼働していない、契約してもすぐに打ち切られてしまうという人も少なくありません。ここでは、実務型顧問として成功するために必要な報酬にまつわる考え方をご紹介します。
サラリーマン意識から脱却する
実務型顧問は「個人事業主」
業務委託契約を結ぶということは、同時に「個人事業主」になるということです。企業とも派遣会社とも対等な立場である「プロ」としてのキャリアが始まります。意識を高く持ち結果を出せる人材、それが「プロ」です。
相手先企業の社長と同じ目線、同じ気迫で企業の課題解決に取り組みアドバイスをし、企業に貢献するという気持ちを強く持たなければなりません。
「報酬はもらえるのが当たり前」ではない
サラリーマンに多いのが「会社にいきさえすれば報酬はもらえる」という意識ではないでしょうか。長年サラリーマンとして勤めた人の中には、その意識を取り去ることがなく顧問になった人も少なくありません。
企業から支払われる報酬は、会社の大切なお金です。どのように企業へ貢献できるかを考え行動に映し、結果を出して始めて受け取れるものです。無情なようですが、業務委託契約ですので結果が出なければ次の更新はありません。今後はどのようにして顧問キャリアを歩むかというビジョンを持ち、報酬の計画も立て、自分で自分をしっかりマネジメントしましょう。
「企業が払うお金 ≠ 顧問がもらうお金」ギャップの存在を認識する
守秘義務のため、企業には顧問の報酬額は言えない
顧問は、現場で企業の社員と一緒に課題解決にあたります。現場になじめばなじむほど、社員から「どれくらいの報酬をもらってるの?」という話がでることも少なくありませんが、顧問と派遣会社の取り分の比率や、具体的な手取り額を話すことはできません。派遣会社と顧問の間では報酬に関する守秘義務が結ばれているからです。そういった場合は、やんわりと「それなりにもらってます」などと言ってうまく対応しましょう。
ギャップを知らない企業は、金額以上の期待をする
前述した通り、中間マージンが0円でない限りは、企業の支払う「顧問料」を顧問と派遣会社で分配します。その配分はさまざまですが、派遣会社が「7」顧問が「3」という場合も多く、企業の支払う「顧問料」と実際に顧問が手にする金額とでは大きなギャップがあることもあります。
そのギャップを知らない企業の中には、「あんなに支払ってるのにこんな仕事しかしないのか」と思う人、また実際にそう言ってくる人もいるかもしれませんが、それは当然のことです。まさかそこにギャップがあるとは思っていないからです。
もちろん誠心誠意対応する必要はありますが、もし現場でそのようなことを言われてもひどく落ち込む必要はありません。そういったこともあるものだと、あらかじめ想定しておきましょう。
派遣会社によっても顧問の手取り額は違う
実際の手取り額とのギャップを望まないという方は、中間マージン0円の派遣会社に登録するのがおすすめです。また各社それぞれの特徴がありますので自分の信条に合った派遣会社を選びましょう。
→こちらの記事も参考に
まとめ
今注目の「実務型顧問」は、業態やまたその契約形態によっても報酬相場が変わります。押さえておくべきことは、「実務型顧問」はサラリーマンではなく「プロ」であり、結果を出して始めて報酬を受け取れるということ。また企業の支払額は必ずしも顧問の報酬とは一致しないということ。またその事実を企業の社員は知らずに発言する場合もあるということ。
これらをしっかり押さえておくだけでも、顧問として働く上で報酬に関して頭を抱えることは減るのではないでしょうか。派遣会社各社ともさまざまな特色があります。顧問として働く前にそれらをしっかり確認して納得がいく派遣会社と契約しましょう。