企業で活躍する顧問にはいろんなタイプがあります。顧問の種類、企業での立場・役割、また近年注目を集めている新しいタイプの“実務型顧問”を知っていますか。将来的に退職後ゆっくりと過ごす生活ではちょっと物足りないと感じている方、40代50代で早期リタイアして新しいことやりたいな、と思う方はぜひ読んでみてください。
企業にはいろんな「顧問」がある
顧問は専門知識や経験によって会社の経営陣などにアドバイスをする人のことです。企業では、弁護士や公認会計士、税理士、経営コンサルタントなどの専門家や役員経験者が就くケースがあるようです。
最近は新しいタイプの顧問も注目を集めています。より細分化された分野で、実務レベルのアドバイスや実行支援を行い、社内の人と共にプロジェクトに取り組むといったタイプの顧問の人気が高まってきています。専門的な分野で長年活躍し実績のある人が、その経験やスキルを活かして企業の担当者と共に実務にあたるものです。
新しいタイプの顧問はアドバイスにとどまらず、課題解決に向けて企業の担当者、担当チームと伴走しながら実行支援します。より現場に近く、実務型顧問と呼ばれたりします。
内部顧問・外部顧問
企業における顧問は、内部顧問と外部顧問の2つがあります。
内部顧問は自社出身者の顧問のことです。役員を務めていた人が退任し顧問となるケースが多いです。長年その企業で経営に関わってきた人なので、現社長でもわからないことを顧問は知っていたり、アドバイスを求められれば社内の人間関係を踏まえたアドバイスをしてくれたりと、その会社における「知恵の泉」のような人です。
外部顧問は企業外の人で高度なプロフェッショナルな知識を持った人と契約する顧問のことです。弁護士や税理士、公認会計士と契約して、法務、経理部門で専門家から見た意見や助言をします。先ほど紹介した新しいタイプの顧問も外部顧問に分類されます。
常勤顧問・非常勤顧問
この分類は勤務体制の違いによるものです。毎日出社してアドバイスを行うのが常勤顧問、非常勤顧問は必要なときだけ出社します。
特別顧問
顧問よりも栄誉職的な役職です。現役時代は社長や取締役など役員を務めた人が就く役職で、役割としては内部顧問と大きな違いはありません。ただ役職名に「特別」が付いているだけに顧問よりさらに栄誉職の色合いが強くなります。
企業における顧問の立場って
企業での顧問の立ち位置ってどんな感じなのでしょうか。顧問と似たようなポストとして、相談役や参与があります。顧問との違いについて見ていきましょう。
相談役との違い
顧問も相談役もアドバイスをする立場にあることは同じですが、相談役は外部の専門家が就くことはあまりありません。相談役は社長などの役員が退任した後就任就くケースがほとんどです。
参与との違い
参与は現役の社員が就く役職です。役職者になれなかった人のために作られたポストといった性格をもっています。
顧問にはどんなことが求められる?
企業での顧問の役割
内部顧問の場合は、経営上の問題があり経営陣が助言を求めたときに適切なアドバイスができることです。またその人の持つ人脈なども企業にとっては必要なものです。
外部顧問の場合は、その分野のエキスパートとして、企業の課題解決のお手伝いをすることです。特に新しいタイプの顧問の場合、助言だけではなくその先にある戦略立案や実行支援までを含みます。より現場に近く即戦力を求められています。企業の担当者、担当チームとともに、問題解決や新規プロジェクト立ち上げなどに取り組みます。
企業にとって顧問を置くメリット
企業に課題があり、自社のメンバーだけでは対応しきれないときに、顧問の専門知識と経験・実績をもとに役に立つアドバイスがもらえます。そのため、経営者や役員が事業経営に専念できたり、何か問題が起こったときにも迅速な対応によって問題が悪化する前に早期に解決ができたりします。
また高度な専門性が必要とされるため、専門部署を置いたり、新たに正社員を採用したりするよりもコストが大幅に抑えられるというのも大きなメリットです。
どんな分野でどんな専門知識が求められている?
内部顧問、特別顧問は、経営陣に対して経営上のアドバイスを行うことがメインです。また弁護士や税理士、公認会計士などの外部顧問は法務や経理面でのアドバイスを行います。
新しいタイプの顧問ではどんな分野のどんな専門知識が求められているのでしょうか。私が顧問派遣会社の担当者さんと話していて、聞いたところによると、以下のような業界、ジャンルでニーズがあるようです。
製造業界
- 研究開発強化
- 生産ラインの強化、製造コスト低減
- 品質管理
- 生産管理
IT・Web業界
- Webマーケティング戦略立案
- ブランディング・プロモーション戦略立案
- Webサイト構築
- ECサイトの構築や収益改善
- オウンドメディア運営
- Web担当者育成
- エンジニア採用
小売・流通業界
- 倉庫運用方法の改善
- 物流戦略の企画
- サプライチェーン最適化
- 調達先開拓
また業界を問わず引き合いが多いのが、以下のような業務だそうです。
- 海外進出のサポート
- 人材採用・育成
- 新規事業開発
- 広告による集客
まとめ
企業における顧問にはさまざまな形があります。弁護士や税理士などの有資格の外部顧問や内部顧問はこれからなろうと思っても難しいですが、新しいタイプの実務型顧問なら「私のスキル生かせるかも」とピンときた人もいるでしょう。
実際に、企業からのニッチな分野でのニーズは増えていて、顧問派遣会社としても多種多様なキャリアの人材を求めているのが現状です。
あなたのスキルを生かした「顧問」という働き方、検討してみてください。