顧問の雇用契約まるわかり!直接それとも委託?をすべて解説

「顧問として働く」ということを、一見一聴、自分にはまったく縁がないことだ、と切り捨てますか?

それとも、「いや、まてよ!もしかすると、これまで長年携わった仕事の経験をもってすれば、どこかに就職先があるかもしれない…。」と、いう想いを、少しでも持ったのではないでしょうか?

そうです!まさにそのとおり、実は近年、普通のサラリーマンだった人でも、自分が何十年と、真面目に取り組み続けてきた業務ノウハウ・専門性を活かして活躍できる、人材市場ニーズが増加しているのです。

そうした職務は「外部顧問」枠として「実務型顧問」とよばれていますが、現実的で、スピーディな就業の可能性を高める方法としては、「顧問に特化した専門派遣会社」に登録することが第1歩。

この記事では、そのような外部顧問と、同企業の「内部顧問」に就く、ふたつのケースに分けて、給与・出勤日数・待遇などを踏まえた、「雇用契約」に関してくわしく紹介していきます。

顧問とは、上層部の助言・指導にあたる「企業のブレーン」

多くの企業の社歴から見ても、一般的に顧問といえば、上層部が定年後に任命される職位というイメージがあります。同企業における、さまざまな経営上の事案に精通していることから、実質的な「ブレーン」といえるのが内部顧問です。常勤と非常勤に分かれ、出社日数も月2~20日と雇用契約によって、さまざまに異なるため、報酬・待遇もそれらに準じて変動します。

一方、外部顧問という存在は、特定分野における、業務の知識・実務経験・スキルを持つ専門家であり、その筆頭格が顧問弁護士です。一般的には、常勤・非常勤の明確な区分はありません。その理由としては、いつでも何か相談したい事案が生じた際、電話・メール・郵送物などで、特に調査の必要もない回答範囲のサポートを契約している、顧問弁護士などの存在が多いことがあげられます。

顧問に求められる実務案件は多岐にわたる

しかし、「外部顧問とは、国家資格を持つ士業に限られる」という訳ではありません。一般的な会社員経歴だけを兵法にし、実際に関わった業務で習得した知識とキャリアに、専門性があると評価され、新たな企業に就業する実務型顧問が増加しています。

実務を求められる部門と専門的内容は、以下のように多岐にわたります。

  • 管理部門:人事体制/コンプライアンス/ガバナンス/リスクマネジメント 各課題の強化
  • 営業部門:B to B/M&Aにおける事業商談・営業戦略立案・次世代育成
  • 技術部門:新システム導入・研究開発・若手エンジニア育成
  • マーケティング部門:市場ニーズリサーチ・新製品企画・顧客満足度向上・広告/PR活動最適化

そのほか、部署という枠にとらわれない、次のようなニーズも高まっています。

  • 経営戦略:資本調達 新規事業拡大 意思決定助言
  • 業務改善:品質管理 提供サービス 実務効率化サポート
  • 海外ビジネス:海外拠点策定 輸出入販路開拓

こうした、実務型顧問を斡旋するために台頭してきたのが、「顧問専門派遣会社の提供サービス」であり、「エージェント」とも言われます。企業としても、長期的な人材不足という課題を抱えており、その供給ニーズの対象範囲となるのが、健康で専門的キャリアが高く、働く意欲の高い人物は、高齢者であっても、積極的に登用したい、という多くの企業側の意向です。

また、政府による、昨今の高年齢者雇用対策への加速を背景にした、働き方改革であり、人生100年時代における個人の持続可能性という、注目すべき社会的動向のひとつといえるでしょう。

顧問の雇用契約は、内部顧問と外部顧問によって異なる

まず、顧問の雇用契約上において欠かせない、ふたつの職名は、

  1. 内部顧問
  2. 外部顧問

です。そして、

  • 内部顧問が、各事業所と結ぶのは「直接雇用契約」がメイン

です。なぜなら、同組織内における実績や、各部門の理解度が高く、関連性の把握能力が今後の経営上に必要不可欠と判断され、昇格する場合がほとんどを占めるからです。企業外部からの就任は、極めて優れた経歴・知見・人脈を持つ、いわゆるエグゼクティブを招き入れる場合を除き、極めてまれといえます。

  • 外部顧問としては、「業務委託契約」を結ぶことがメイン

ということが、これまで多くを占めていました。そこに、近年、新しく現れたのが、顧問人材派遣会社のサービスです。その利用方法としては、顧問として派遣会社に登録し、需要と供給にマッチした企業の案件に、実際に就業することが決まったら、

  • まず、顧問専門派遣会社と企業が「コンサルティング契約」を結ぶ
  • 次に、顧問登録者が、税務署に個人事業主として開業届を提出する
  • そして、顧問専門派遣会社が、顧問として働く登録者と「業務委託契約」を結ぶ

以上の3段階が必要です。そのため、顧問として働くことを視野に入れた場合には、以上の各契約の概要について、理解しておく必要があります。

直接雇用と業務委託(顧問契約)の概要

会社法では役員として定義されない、顧問の雇用形態は各企業に任されています。以下に、実質2つ(厳密に3つ)に分けて説明します。

  • 直接雇用=法人経営者と、その組織の従業員として結ばれる契約。
  • 業務委託=顧問として経営をおこなう、個人事業主と結ぶ契約。
    • 顧問契約=業務委託の1形態で、その代表格が顧問弁護士。継続的な契約期間が前提とされるが、常勤・非常勤という区分けはない。

以上のなかで、どれがもっとも自分にあてはまると言えそうでしょうか。

内部顧問と外部顧問の、直接雇用・業務委託の違い

では、内部顧問と外部顧問の雇用契約について説明します。まず、内部顧問ですが、

[1]職務昇格扱いで、同企業の内部顧問になる場合は直接雇用

です。また、ヘッドハンティングや、特別なルート紹介などにより、

[2]新たにその企業の内部顧問に就く場合も、従業員として直接雇用契約

が適用されます。[1]は、これまでの給与や勤務日数、各種社会保険加入権と負担額が基準ベースとされ、引き継がれることが一般的です。[2]は、双方の談義によって報酬・出勤日数・各種社会保険に関する事項を決定します。

ただし、顧問職の特徴である、過去の実績を活かした専門性を持って、実務を伴わない助言や指導にあたるということから、昇給したり、出社日数や勤務時間が減ったりするケースも多々あるといえます。

一方、外部顧問としては、

[3]顧問契約を含む業務委託=顧問として働く人と、顧問派遣会社との契約

です。いかがでしょう? 2種類の雇用契約の違いが明確になったでしょうか。次の項目では、顧問派遣会社に登録して働くメリット・デメリットについて紹介します。

顧問派遣会社に登録するメリット・デメリット

顧問派遣会社に登録する最大のメリットとしては、顧問人材ニーズ案件を多く持つ派遣会社のサービスを利用して、自分に合った就業案件に出会える範囲が広がることです。また、現実的かつスピーディな紹介を経て、実際の就業につながりやすいことがあげられます。

顧問派遣会社に登録するデメリット

デメリットとしては、就業先からの報酬総額が、「顧問当人:派遣元」の規定割合比率が、「5:5」「3:7」などに分割され、手取りが思ったより少なくなってしまうことです。

人材派遣業は、紹介時の仲介手数料と、毎月、派遣先から支払われる報酬総額のなかの、規定割合分を利益とすることで、経営を成り立たせています。その、人材ニーズマーケットを利用して、就業している以上、手取り額は直接雇用契約より減ってしまうことは、やはり受け入れなくてはなりません。

ただし、数は少ないのが現状ですが、顧問専門派遣会社のなかには、それらの仲介マージン料を取らないところもあるため、その場合は企業からの報酬全額を受け取れます。そのため、そのような好条件で、自分のキャリアを持って獲得可能な案件を、根気よく探してみることもおすすめです。

また、一般的に、業務指導や助言にとどまる顧問職はひと月1社あたりの出社日数も少なく、複数の事業者と契約が可能です。そのため、まずは顧問専門派遣会社の持つ案件で顧問としてのキャリアを積み、2社、3社と増やしていけば、収入も増えていくでしょう。そして、信頼と実績を積み続ければ、直契約オファーを受ける可能性も高まります。

なお、顧問派遣専門会社との業務委託契約は6か月ごとに更新されるのが一般的です。ただし、事業主側が、当該、派遣顧問の仕事ぶりに満足し、気に入られた場合には、直接雇用という運びになる場合もあります。

業務委託契約の内容・デメリット

業務委託に際しては、本来、使用者である事業所が「甲」となり、業務委託される個人が「乙」となる「業務委託契約書」を双方の間で、署名、捺印を交わす手続きが要されます。

デメリットとしては、労働基準法や労働契約法による保護対象者として認められず、その企業の雇用保険・労災・健康保険・厚生年金などの社会保険とは縁がないということです。つまり、自己都合退職であっても、何らかの事由により解雇された場合でも、特定受給資格者・特定理由離職者として失業給付対象者になれません。

まとめ │ 自分の価値を、顧問としての雇用につなげる

顧問の雇用契約について紹介してきました。最後にお伝えしたいことは、人生の目的とは、自分だけの才能と経験を活かして生きること。それは、すなわち、「自分の価値」なのです。そのニーズが今の社会にはたくさんあります。

永続的な成功を手にしたいのであれば、世の中にその価値を提供し続ける、つまり「社会貢献」を可能な限り継続することです。人生の目的の法則は、ビジネスの本質と同じ。自分のキャリアを認めてくれる、クライアントを求めて探しましょう。

たとえ、何歳になっても、お客様に価値を提供する、役に立つことに集中していれば、自然に売上高とブランディングにつながり、同時に、自分の人生に幸せをもたらします。人生100年時代といわれる昨今、この先はまだまだ永いのです。年金だけでぼんやり過ごす日々と、好きなことに没頭して生きる日々、あなたはどちらを選びますか?

行動は、成功と幸福駅への切符。さっそく、自分が長年打ち込んできた仕事の専門性を整理して書き出してみませんか?顧問派遣会社へ提出する、職務経歴書のベースになるでしょう。