「定年退職を目前とした55歳、早いうちに早期退職をしたい」
と、早期退職を検討して調査を始めている方もいるのではないでしょうか?
2021年11月現在、正規雇用の定年は一般的に60歳または65歳ですが、勤務先によってはすでに70歳を定年としている場所もあるでしょう。
インターネットの記事でも、早期退職を夢見てファイナンシャルプランナーなどに相談する55歳の人たちを見かけますが、自身にとって早期退職が「人生の楽園」になるかどうかは、自身の入念な準備と心構えにかかっています。
そこで今回は、55歳を迎えて早期退職を検討している方に向けて、後悔しないためのアドバイスを5つご紹介します。
この記事を読んで、自身が55歳で早期退職を選ぶべきかどうかの参考にしてみてください。
55歳前後の会社員が早期退職を決断する主な理由
55歳と言えば、会社によっては定年まで残すところ5年を迎えているだけでなく、場合によっては役職定年を迎えているケースもあります。
また、55歳を目前に控えている年代だったり、55歳を過ぎていよいよ定年が現実を帯び始めたりするからこそ、会社に縛られることなく自身の人生を有意義に過ごしたいと考えがちです。
では、55歳前後の会社員がどうして早期退職を決断するに至るのでしょうか。
主な理由は4つあります。
- モチベーションの低下
- 職場の人間関係
- 悠々自適な人生を送りたい
- 自分や家族のために時間を使いたい
それぞれについて詳しくご紹介します。
モチベーションの低下
早期退職を決断する会社員の多くは、定年を目前に仕事へのモチベーションの低下を理由に挙げる傾向があります。
独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」が役職定年を迎えた人に対するして行ったアンケートによると、役職を降りたあとに仕事に対する意欲が「下がった」と答えた人は59.2%であることがわかしました。
特に役職付けの人の場合は定年を迎えるにあたり定年退職の準備として役職定年を迎えることも少なくありません。
そのため、
「会社から期待されていない」
「誰でもできる仕事を渡されてやりがいを感じられない」
などのように、定年を迎える残り数年間の仕事に対するモチベーションを保つことが難しいと考えられるのではないでしょうか。
モチベーションが下がったまま仕事を続けるよりは、早期退職してしまおうという考えが生じると言えます。
職場の人間関係
自身の立場が変わることによる職場の人間関係によって、早期退職を決断するという方も一定数います。
- 役職定年を迎えるなどで社内で疎外感を感じる
- 周囲から遠慮がちな対応をされて会社内に自身の居場所を見つけられなくなる
- 部下が上司になる
など、人間関係に関する複雑な気持ちを抱え、早期退職を決断するのでしょう。
悠々自適な生活を送りたい
役職や特別な職種の特性上、激務になりやすい方は、仕事から解放されて悠々自適に生きたいと考えて早期退職を決断する場合があります。
悠々自適な生活と言っても、人によって定義はさまざまです。
- 資産形成は十分に行ったから早いうちから仕事を引退しよう
- 世界一周や日本一周など仕事で出来なかった長期旅行をしよう
などが挙げられます。
自分や家族のために時間を使いたい
役職付けなどや海外赴任などでバリバリ働いてきた人の中には、自分や家族のために時間を使いたいために早期退職を決断する人も一定数いるでしょう。
『死ぬ瞬間の5つの後悔』という書籍によると、「死ぬ瞬間の5つの後悔」は
- 自分に正直な人生を生きればよかった
- 働きすぎなければよかった
- 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
- 友人と連絡を取り続ければよかった
- 幸せをあきらめなければよかった
の5項目が挙げられています。
本書は外国人の著者が記していますが、日本人著者が記した『死ぬときに後悔すること25』にも同様の後悔が記載されているため、万国共通と言っても過言ではありません。
働きすぎて家族や自身を鑑みなかったことで後悔しないためにも早期退職を決断するというわけです。
55歳が早期退職するにはいくらの資金が必要?
資産状況や形成・ローンや家族構成など人によって異なります。
しかし、夢や願望を追求するべくお金のために働くことを辞める「FIRE(アーリーリタイア)」の鉄則から考えると、以下の3ステップで早期退職前に用意したほうがいい資金を計算することは可能です。
- 自分の生活費1年分x25年間= 目標の資産額
- 目標の資産額 x 4%ルール =資産の利回りで生活できる金額
- 自分の生活費1年分 = 資産からの利回り金額(資産運用で得た金額)
早期退職希望者が考える「4%ルール」
FIREの成功鉄則の中には「4%ルール」というものがあります。
4%ルールとは、年間生活費の25倍の資産を生み出せば、年利4%の投資運用益で生活費をまかなえるというアーリーリタイア成功の指標です。
資産運用などで得たお金が毎月の生活費以上の状態を保てるようになれば、早期退職しても生活水準を保てる状態だと言えます。
【55歳で早期退職を決断する人へ】後悔しないためのアドバイス5つ
55歳である程度の役職を持っている人も多くいるのが実態。
自身が会社を早期退職すべきかどうかを考えるだけでなく、今後の人生をじっくり見つめ直す良いタイミングです。
早期退職を検討している人こそ、後悔しないために以下の5つのアドバイスをご紹介します。
退職後の生活の変化を考慮する
早期退職をすると生活リズムが狂いやすくなりますので、生活の変化は早期退職する前にある程度は考慮したいところです。
早期退職することで、これまで習慣化していた仕事が突然なくなります。
人によっては、何をしていいかわからなくなるということもあるでしょう。
会社の人とばかり接してきたという方の場合は、社会とのつながりも無くなるあるいは希薄になることも考慮しなければなりません。
退職後の生活がどのように変化するのかモデルケースを考えるだけでなく、実際に早期退職した人のブログを読んでみるなどして、メンタルの管理方法や生活の変化を予めシミュレーションしておくことが必要になります。
退職後の生活資金が充分かを考える
退職後の生活資金が潤沢かどうかもポイントです。
会社を退職すると、当然ながら定期的に得ていた収入は発生しなくなります。
ファイナンシャルプランナーや税理士など、お金について相談できる相手を見つけておくと心強いでしょう。
前項でご紹介した「FIRE」についても本で学べるようになりましたので、勉強をしておくだけでも退職後の資金を計算することに役立ちます。
もし、住宅ローンや子どもの学資ローンの返済が終わっていなかったり、車を保有していたりなどもあるでしょう。
早期退職する前に必ずローンの返済目途や車検費用・保険などの費用も改めて見直し、生活資金とともに計算しておくことをオススメします。
退職後も収入が入るように準備する
株や不動産投資など、お金に働いてもらう仕組みづくりや節税対策を退職前に確立しておくと安心です。
早期退職前にきちんと勉強・運用することで、退職後も一定の収入を得られる可能性があります。
最近では、iDeCoやNISA・ふるさと納税などといった節税対策もありますので、知らない方や準備していない方はぜひ参考にしてみてください。
特に、退職後は別の仕事をしてみたいという場合は、早期退職前に副業でお金を安定的に稼げるようになっておくことも大切です。
退職前からの準備も大事ですが退職後も定期的に収支チェックすることで、後悔しない早期退職となるでしょう。
また、国の支援制度もよくチェックしておき、支援制度が使えそうな場合は積極的に活用することも大切です。
家族とよく話し合う
家族がいる場合は勢いで早期退職せず、よく話し合いましょう。
子どもや配偶者がいない場合は自分の退職後の資産だけを考えれば問題ないかもしれませんが、家族を持っている場合は、妻の生活費や子どもの養育費・お小遣いなども考慮しなければなりません。
家族はチームに例えられます。
早期退職について妻や子どもはどう思っているのかをきちんと話し合っておくことで、自身の早期退職の計画を一緒に練りやすくなります。
自身の市場価値を振り返る
「早期退職を決断したものの、資金的にやっぱり働かないといけない」
「働いていないと生活スタイルがくるってしまう」
など、人によって早期退職後も仕事が必要という場合もあるかもしれません。
早期退職する前に自身の市場価値を振り返ることで、早期退職後も仕事を見つけやすくなります。
もし、自身の市場価値に自信が無いという場合は、シニアキャリアアドバイザーなど第三者に見てもらうなど工夫すると良いでしょう。
55歳の早期退職希望者は実務型顧問もチェック
キャリアがある程度あり「早期退職をしても自分のやりたいことを軸にマイペースに働きたい」という場合や、「資産形成するための資金が欲しい」などさまざまな理由もあるでしょう。
そのような場合は、会社を早期退職した後に個人事業主として実務型顧問の仕事もチェックしてみてください。
実務型顧問は、個人事業主として第三者目線で企業の問題を自身のスキルで解決していく仕事です。
副業からでもはじめられるため、早期退職する前に副業からスタートでき、資産形成の一部に活用できます。
当サイトでも、実務型顧問に関するノウハウを多数展開していますので、早期退職を検討している方で、新しい仕事の可能性を見出したい方はぜひチェックしてみてください。
【培ったキャリアで企業のブレーンに!】顧問の種類と働き方を徹底解説
まとめ
55歳で早期退職を検討する理由は人それぞれですが、準備をするかしないかで早期退職が人生の楽園になるかどうかが大きく左右されると言えます。
しかし、
「自身の資金状況は潤沢だと思っていたものの、計算して見たら早期退職の決断が早すぎた」
などということも大いに有り得ます。
早期退職はこれまでの生活が激変します。
ある程度のシミュレーションが必要というだけでなく、資産が適切かどうかや家族との話し合いが円滑かなどをきちんと確認してから決断することで、後悔のない早期退職が実現できるでしょう。
また、悠々自適な生活を希望していたものの数年で飽きてしまい、仕事したい意欲に駆られてしまうというケースもあるかもしれません。
早期退職しても仕事をマイペースに続けられる方法はさまざまです。特に役職がある方や有った方は、顧問という仕事も選択肢に入れられます。
この記事を参考に、後悔のない早期退職計画を立ててください。