早期退職の対象になるのは何歳から?成功する人の特徴とは?

早期退職とは定年を迎える前に辞めることを指し、アーリーリタイアと呼ばれることもあります。近年では業績悪化や人員の再構成を理由に、早期退職者を募集する企業が増えてきました。

2021年1月から10月までの間に早期退職者を募集した上場企業は、72社に上ります。最近では大手テレビ局であるフジテレビも早期退職者を募集しており、どの企業がいつ募集しても不思議ではない時代に入っています。では早期退職の対象となるのは何歳からなのでしょうか。

今回の記事では早期退職者の対象となる年齢や、早期退職のメリットについて解説します。何歳で早期退職しても成功する人の特徴についても解説しているので、将来早期退職を検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。

早期退職の対象になるのは何歳から?

早期退職者を募集する企業が増えていますが、その対象となる年齢は企業により異なります。多くは50歳以上でしたが、なかには働き盛りの若い世代を対象としている企業があることも分かりました。

一般企業の場合

東京商工リサーチの調査によると、9039社のうち約1割が早期退職やセカンドキャリアに関する制度を導入または検討していると回答していることが分かりました。すでに導入している企業の制度対象年齢は次の通りです。

対象年齢企業数
55歳以上127社
50歳以上68社
45歳以上36社
全年齢を含む29歳以下25社

出典:東京商工リサーチ「早期退職やセカンドキャリアに関するアンケート」調査

導入している企業の7割は「50歳以上」が対象でしたが、25社は働き盛りの20代、30代世代も早期退職の対象としていることが分かりました。29歳以下を対象としている企業は、外資系や製薬を中心としたメーカーなど大企業に多いようですが、今後は他の業界でも早期退職の対象年齢が下がっていくかもしれません。

公務員の場合

国家公務員の場合、一般企業のように自由に対象年齢を決められるわけではないようです。内閣官房の「早期退職制度について」のサイトページを確認すると、次のように記載されています。

  • 職員の年齢別構成の適正化を通じた組織活力の維持等を目的として、45歳以上(定年が60歳の場合)の職員を対象に、透明性の確保された早期退職募集制度が創設
  • 平成25年11月1日から本制度に基づく退職(応募認定退職)が可能となった。

引用:内閣官房

つまり国家公務員の早期退職年齢は、45歳以上が対象のようです。最近だと令和2年に各省庁で募集がされています。地方公務員の場合は、各自治体の取り決めによるようで、45歳以上を対象としているケースも見受けられました。総務省の「平成30年度地方公務員の退職状況等調査」によると、全団体3,325のうち、約1割にあたる427の団体が早期退職募集を実施しているようです。公務員になれば定年まで安心と言われていた時代もありましたが、そのような考えが通用しない時代になりつつあります。

早期退職するメリットとは?

 早期退職と聞くと、クビやリストラなどネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし募集対象者側にとってメリットもあります。

退職金が多くもらえる可能性がある

早期退職者募集を利用した場合、通常の退職金より多くもらえる可能性があります。それが「割増退職金」です。その額は業績好調な企業の場合、4,000万円を超えることもありますが、一般的な相場は年収の2倍とされています。

例えば年収800万円の人が早期退職に応募して退職した場合、通常もらえる退職金1,000万円に加えて年収の2年分である1,600万円が上乗せされるので、合計2,600万円もらえることになるのです。ただし業績不振の企業の場合はこれより少なくなることも考えられます。相場はあくまで参考として見ておきましょう。

自由な時間が増える

将来のキャリアアップや、やりたいことが明確な人もメリットといえます。プライベートな時間が増えるので、これまで時間がなくてできなかったことに挑戦できるでしょう。セカンドキャリアの構築や、夢の実現を叶えるきっかけにもなります。仕事が忙しかった人は、次の仕事をする前に休息の時間を取ってもよいかもしれません。

会社都合の退職になる

自ら退職願いを提出して退職した場合、通常は自己都合退職となります。しかし早期退職募集に応募した場合は、会社都合退職扱いです。では会社都合だとどのようなメリットがあるのかといえば、一番大きなメリットは失業保険でしょう。

自己都合の場合、失業保険が受け取れるまでには申請後、7日間プラス3か月の待機期間を必要とします。しかし会社都合であれば7日間の待機期間のみで受け取れるのです。受け取れる期間は勤続年数により異なりますが、会社都合のほうが長い期間受け取ることができます。

何歳で早期退職しても成功する人の特徴

近年はどの企業が早期退職者を募集しても不思議ではなく、年齢も若い世代が対象となることがこれから増えていくかもしれません。何歳で早期退職しても大丈夫なように準備しておきましょう。ここでは早期退職が成功する人の特徴を4つ解説します。

専門的な知識やスキルを持っている

他の会社へ行っても通用する専門的な知識やスキルを持っている人は、早期退職後も成功する可能性が高いでしょう。早期退職をきっかけに今よりもさらに好待遇の会社へ転職する人も多くいます。

任された業務を淡々とこなすだけではなく、自分の得意を伸ばす努力を日頃からしておくのがおすすめです。関連する資格があれば取得を目指すのもよいでしょう。資格を持っていればスキルを可視化できるので、持っていない場合に比べて転職でも有利になりやすいでしょう。

人脈があり、社外の評価も高い

スキルに加えて社外に人脈を多く持つ人も、成功しやすいでしょう。社外での評価が高ければこれまでの付き合いの中から、仕事の紹介をもらえることもあるかもしれません。

またこれまで積み上げてきた人脈を利用して、起業や独立する人もいます。独立すれば福利厚生などはなく、すべてが自己責任になるなど負担は増えるかもしれません。しかしすべては自分の裁量なので、頑張り次第で会社員時代の年収を大きく稼ぐチャンスもあります。

やりたいことが明確

割増退職金などの条件だけで決めてしまうと、その後に自分が何をやりたいか分からず後悔してしまう可能性もあります。早期退職を検討したら、必ずその後にやりたいことを明確にしておきましょう。

明確にすればやるべきことが見えるので迷うことも少なくなります。また収入に関することを含め家族に影響を与える可能性があるので、理解を得ることも大切です。

マネープランがしっかりしている

マネープランについても、しっかり計画を立てておきましょう。希望の仕事がなかなか見つからずに、無職期間が長期にわたる可能性もあります。貯金が少ないと不安や焦りから仕事選びを失敗してしまうかもしれません。無職の状態でもしばらく生活できる貯蓄があると安心です。また貯金に余裕があれば、資産運用をはじめるのもよいでしょう。銀行に預けておくだけでは増えませんが、資産運用ならば自分が働かなくても資産が増える可能性があります。

何歳からでも挑戦できる実務型顧問

成功する人の特徴について前述しましたが、50代を過ぎてからの転職は求人数も限られており、すばらしいスキルを持っていても希望の仕事が見つからない可能性もあります。定年まで長く働いてくれる人を探している企業も多いので、必然的に若い人が有利になってしまうのは仕方のないことなのかもしれません。

そこでおすすめなのが企業に縛られない働き方が可能な「実務型顧問」です。シニアに注目が集まっている働き方で、自分のスキルや知識を活かし、企業の課題についてアドバイスしたり、現場担当者と一緒に実務に携わったりします。

報酬は契約内容によりますが、1社につき10万~20万円が相場で、複数社と契約すれば大きく稼げるチャンスもあります。雇われているわけではないので定年もなく、何歳からでも挑戦できるのが実務型顧問なのです。

顧問のはじめ方については、こちらの記事を参考に。

【現役顧問が徹底解説】顧問派遣サービス、登録から案件受注までこう進む!

まとめ

早期退職者の対象となる年齢や、早期退職のメリットについて解説しました。対象年齢を50歳以上とする企業が多いですが、なかには20代や30代など若い世代を対象とする企業もあります。近年早期退職を募集する企業は増えている傾向にあり、いつどの企業が早期退職を募集しても不思議ではありません。

いつ対象となっても大丈夫なように、今から準備をはじめておくことが大切です。「スキルを磨く」「やりたいことを明確にする」などできることからはじめてみましょう。まとまったお金がもらえ、自由な時間も増えるので、準備しておけば叶えたい夢にチャレンジできるきっかけになるかもしれません。

早期退職後に転職を考えている人は、実務型顧問という働き方もおすすめです。50代を超えると転職活動は厳しいことが予想されますが、実務型顧問であれば企業に雇われずに働けて、大きく稼ぐチャンスもあります。何歳からでも挑戦可能なので、働き方の選択肢として視野に入れてみてはいかがでしょうか。