役職付きサラリーマンが定年後に検討したい仕事5選

サラリーマン定年後も自身の経験を活かした仕事をしてみたいと思うものの、平凡な選択肢しかなく「他に自分のキャリアを活かした働き方がないものか」と悩んでいるのではないでしょうか。

定年後に求められている仕事には、研修のみで誰でもできる仕事内容が多い非正規雇用者と会社への再雇用制度などさまざまです。

一方で、再雇用制度を使うことで仕事内容が希望するものと合っていなかったり、自身より若い人が上司になることでやりづらかったりなど、役職付きならではの悩ましい面もあるでしょう。

早いうちに自身の能力を最大限に活かした仕事の選択肢を多く持つことで、定年後の仕事を後悔することなく選択できます。

そこで今回は、役職付きのサラリーマンが定年後に検討したい仕事を5つご紹介します。

定年後は非正規雇用者として仕事している人が多い!

サラリーマンの定年後の仕事先として、一般的に非正規雇用を選択する人は多くいるようです。

厚生労働省が発行する「厚生労働白書」の令和2年度版を見ると、サラリーマンの定年とされる65歳以上の74.2%が非正規雇用として働いていることが分かります。

男女別に見ていくと65歳以上の男性の73.3%、65歳以上の女性の82.0%が非正規雇用者として仕事をしているほどです。

また、非正規雇用を選択する65歳以上の男女の理由を見ると面白いことがわかります。

どの年齢層の女性において最も多い「自分の都合のよい時間に働きたいから」という理由で非正規雇用を選ぶ65歳以上の男性は、29.1%と想像以上に高い数値であることが判明しているのです。

【定年を迎える人の本音】再雇用制度もあるけれど……

環境の変化が苦手という人は、現職の「再雇用制度」を活用するのではないでしょうか。

しかし、職場の再雇用制度はあるものの、モチベーション高いまま働いている人ばかりではないことも事実です。

職場の再雇用制度を利用したことで、役職を外されたり上司が年下だったりなど、働く意欲の低下に影響する事象が生じかねません。

中には、お金のために再雇用制度を利用したものの、与えられる仕事が新卒社員と同じになってしまい、仕事の達成感だけでなく、やりがい自体を感じなくなってしまう人も一定数います。

さらに、再雇用制度を利用したものの「健康不安」により、自分の好きなように働きたいと考える人もいるほどです。

こんな仕事も?!サラリーマン定年後の人が検討する仕事5選

サラリーマン定年後の人に人気のある仕事は、管理人や警備員・清掃員など研修のみでスタートできる仕事が一般的です。

しかし、サラリーマン時代に業務上である程度の成果を出したりプロジェクトに携わったりしたことがあるなど役職業務を経ている場合、上記に述べた仕事以外にも活躍できる場があることを知っておくと便利です。

サラリーマン時代に客観的に能力を評価されている人ほど、チャンスのある仕事を5つご紹介します。

すでに再雇用制度を利用して再就職した方にとっても、以降の人生設計において役立つかもしれません。

1. 友人・知人のコネで働く

サラリーマン時代に顔が広かったという人ほど、友人や知人に頼まれて仕事を獲得することもあります。

自身の活躍や能力値を知っている人だからこそ、重要なポジションで声をかけてくれるかもしれません。

ただし、友人や知人のコネで仕事を獲得できるという人はほんの一握りだと言えます。

2. NPOやコミュニティビジネス

定年後に社会貢献したい人向けなのがNPOやコミュニティビジネスでの仕事を獲得することです。

NPOやコミュニティビジネスの分野によっては、サラリーマン時代に身につけた専門的知見を活かした仕事ができるでしょう。

NPOやコミュニティビジネスの場合、ボランティアとして活動に貢献することやサラリーマン時代に比べると賃金が低いということを念頭に置く必要があります。

そのため、定年退職後の経済に不安を抱えていない人におすすめです。

3. フリーランス(個人事業主)

定年後や再雇用制度を利用している間に新しいスキルを身につけて、フリーランス(個人事業主)として受託業務の仕事を獲得する方法もあります。

最近では、外注者とフリーランス(個人事業主)をマッチさせる「クラウドソーシングサービス」が整っています。

クラウドソーシングサービスでは、フリーランス(個人事業主)として本格的に仕事をしている人だけでなく、新しいスキルを活かして働きたい実務未経験者や初心者の人も仕事を獲得しやすい場です。

クラウドソーシングサービスから実務を経験したあとに、別のプラットフォームで仕事を探すなど、方法はさまざまです。

4. 自分のビジネスを展開する

フリーランス(個人事業主)の仕事をさらに発展させ、自分で会社を立ち上げるパターンもあります。

最近では年代問わずフリーランスから起業し、マイクロ法人(1人社長)という形でビジネスをする人もいるほどです。

実店舗を持つサービスから、インターネット上に自身の店舗を設置するECサイトでの物販・サラリーマン時代に得た知識を他の人に教える講師業など、ビジネスの可能性は多々あります。

定年後は老後の過ごし方も良く考えないといけないことから、借金することのないよう、家族と相談しながら無理なくビジネスを始めることがおすすめです。

5. 実務型顧問

サラリーマンの定年後の仕事として、意外に知られていないのが実務型顧問という仕事です。

実務型顧問とは、企業の課題に第三者として参画し、後進者の育成や新規ビジネス開拓のお手伝いする非常勤のアドバイザー的な立ち位置の仕事です。

実務型顧問は主にフリーランス(個人事業主)という働き方になるため、3番目にご紹介したフリーランス(個人事業主)の働き方と似ているかもしれません。

しかし、実務型顧問の場合は1から新しいスキルを身につけることなく、今までのサラリーマン時代に得た経験を武器に仕事が獲得できます。

実務型顧問マッチングサービスに登録することで、プロフィールや職歴を基に仕事のスカウトもしてもらいやすいことも魅力です。

【考察】サラリーマンの定年後の仕事で実務型顧問が浸透しきれていない理由

サラリーマンの定年後の仕事には「実務型顧問」もおすすめですが、サラリーマンの定年後の仕事に向いているにもかかわらず意外に知られていません。

なぜ、実務型顧問の仕事がサラリーマンの定年後の仕事の選択肢に挙げられないのかを考察してみました。

1. そもそも顧問という仕事を知らない人が多い

企業にとって実務型顧問の採用ニーズが増加しつつあるにもかかわらず、実務型顧問のという働き方自体が知られていません。

つまり、「実務型顧問」という仕事を知らない人が多いのです。

原因はたくさん考えられますが、ひとつとして「顧問を必要としている企業と顧問のマッチングの場まだ活発でない」ことが考えられます。

一方で、実務型顧問は定年後の仕事の選択肢になりうるだけでなく、若い世代の間でも能力がある人達の複業としてじわじわ浸透しつつあります。

例えば、リクルートが運営するハイキャリア向け転職・求人サービス「キャリアカーバー」では、顧問に関するスカウトサービスがスタートしました。

顧問派遣サービスにとどまらず転職サービスでも実務型顧問の働き方を知ってもらおうという動きがあることがわかります。

2. 実際に実務型顧問で働いている人が周りにいない

実務型顧問の実際の体験談を目にする機会が少ないことも、認知度の低い働き方になってしまっている原因なのではないでしょうか。

定年後のサラリーマンの働き方として人気の高い管理人や警備員などの仕事に注目してみると、定年後を迎えたであろう人たちが誰の目に触れるところで活躍していることがわかりますよね。

一方で、実務型顧問という働き方を実際にやっている人はまだまだ発信が少ないと言えます。

この記事がきっかけで実務型顧問に興味を持たれたという場合は、ぜひ現役実務型顧問を務めるサイト管理人の体験談にも目を通してみてください。

>>企業の顧問として活動中の僕が語る、顧問のやりがいとは?

3.実務型顧問を知っていても反対される

顧問は、本来であれば意思決定権を持ちません。

しかし、世間一般では「旧来型の内部顧問」のイメージが強く残っていることから周囲から勘違いされたり、家族のストップがかかったりする場合もあるようです。

「実際顧問やってる」と説明すると

「偉そうに」

「若くして何ラクしてるの」

などといわれたりすることも……。

改善したいことがあってもノウハウのない企業にとって、実務型顧問は外部からやってくる救世主と言っても過言ではありません。

実務型顧問を志そうとする際は誤解を生まないために、自身でも旧来の顧問と実務型顧問の違いをきちんと説明できるようにしておくことも大切です。

>>顧問とは会社にとってどんな役割?関係性やメリットについても解説!

4. 実務型顧問のイメージと現場のギャップ

実務型顧問のイメージと実際の現場での業務内容のギャップも普及しづらい原因として考えられます。

実務型顧問は企業のマネジメントのサポート業務などのイメージが強くある一方、実は実務型顧問のニーズが高い人材は実務ができる人です。

つまり、実際にサラリーマン生活の中で問題を抱える「現場」業務を経験している人に、実務型顧問の需要があります。

「真面目に会社員生活を送ってきた」という経験を武器にすれば普通の会社員でもチャンスはあると言う話はインターネット上でも散見されます。

しかし、そのままうのみにしてしまい実務型顧問の仕事を選択した結果、実際の現場のギャップに驚いてしまうというケースもあるようです。

まとめ

定年後も社会との繋がりや人との繋がりを仕事に求める人は少なくありません。

中には、仕事に対するやりがいを保った状態で、定年後に能力に見合った仕事を探す人もいます。

サラリーマン時代に優れた能力をぞんぶんに発揮し、現場での業務経験を活かせる実務型顧問という働き方は、時間をコントロールできることから定年後の仕事の選択肢にピッタリです。

しかし、存在を知らないことや実際の業務内容に関する情報が少ないこと、周囲の反対などさまざまな要因から定年後の仕事として浸透しきれていないという側面があります。

この記事をきっかけに、定年後の仕事のひとつに実務型顧問という選択肢に加えてみてください。