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定年年齢が延長!今やれることはあるの?

定年が延長した今、キャリアプランや定年後の生活について今まで以上に考える時間が増えたという方もいるのではないでしょうか?

会社を定年退職する「定年制度」が65歳へと引き上げになっただけでなく、70歳定年を企業の努力目標と政府が定めたことが静かな話題になっています。

定年の年齢が延長し、シニア時代のキャリアを考えなければならない今だからこそ、今やれることを知っておくだけでも定年後の過ごし方が変わるかもしれません。

そこで今回は、定年が延長したことでキャリアを変えるかどうか悩んでいる方に向けて、今やれることをご紹介します。

定年に対する世間の流れ

突然ですが、定年に対する世間の流れを注視したことがあるでしょうか。

定年が近づく50代後半に差し掛かった方の中には、もしかすると勤め先の会社から定年してからどうするかについて説明を受けたという方もいることでしょう。

現在の日本における定年に対する世間の流れを一度かんたんにご紹介します。

定年とは?

定年とは、従業員が会社ごとに定められた就業規則において、一定の年齢を超えると自動的に雇用契約が解除される制度です。

以前は55歳が定年として定められていましたが、1994年の「改正高年齢者雇用安定法」により60歳まで定年が延長しました。

高齢者雇用安定法とは?厚生労働省が定める「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」を指します。

2021年現在では60歳が定年の主流となり、世間的にも定着しています。

なお、人事院が定義する60歳定年退職というのは、「60歳に達した日以後における最初の3月31日」です。

定年は65歳へ延長!

現在、希望する方は何らかの制度により65歳まで同じ会社に在籍できる仕組みがあります。

しかし、政府は2013年に「高年齢者雇用安定法」をさらに改定し、2025年4月から65歳定年制はすべての企業の義務とするよう法を整備しています。

法改正に伴い民間企業では現状、定年制度を整備する場合は「高年齢者雇用安定法 第8条」により、原則60歳を下回ることができないようにしなければならないのです。

70歳定年の未来が待っている

さらに、厚生労働省は2021年4月から「労働者の希望があれば、最長70歳まで定年延長できるようにすること」を企業の努力目標として定めました。

現状、70歳を定年とするかどうかについてについて、厚生労働省は「あくまで努力であって義務ではない」としているものの、

  • 70歳まで定年を上げる
  • 定年制度そのものをなくす
  • 再雇用制度や業務委託

など、70歳が何らかの形で仕事を続けられる環境づくりをすることが要求され始めている状態です。

定年が延長した背景とは?

時を追うごとに引き揚げられる定年制度。なぜ、厚生労働省は定年を延長し続けているのでしょうか。

「日本の人口減少と少子高齢化」「年金制度の改正」「定年後も働きたい人の増加」という3つの背景が考えられます。

日本の人口減少と少子高齢化

昔から取り立たされている「人口減少」と「少子高齢化」は定年の延長に拍車をかけていると言っても良いでしょう。

【出典:平成30年版 情報通信白書 図表0-1-1-1 我が国の人口及び人口構成の推移

総務省が発表した「平成30年版 情報通信白書」の「人口減少の現状」によると、日本の人口は2008年をピークに総人口が減少し続けています。

同時に、65歳以上の人口が増加している一方で、定年世代以前の15歳~64歳までの人口が都市を追うごとに減少していることもわかるのではないでしょうか。

これまで、1人の老人を勤労世代複数人で支えていた時代が、現在では複数の老人を少ない人数の勤労世代で支え無ければならない時代に変化しました。

若い世代の人口が減ると労働力が減ってしまうことから、定年を引き延ばさないと労働力を確保できないだけでなく、政府も労働力から税金や年金が確保できない状態になるでしょう。

年金制度の改正

少子高齢化と人口減少は、年金制度の改正にもにも大きく関係しています。

厚生年金の支給開始年齢は、2013年度から3年ごとに1歳ずつ引き上げられています。

2000年の年金における法律改正により、一定の年齢に達したら支給される「老齢厚生年金」の支給開始年齢が、60歳から65歳に引き上げられました。

老齢厚生年金の支給年齢は男女ごとに引き上げ期間やタイミングが異なります。

  • 男性:2013年度から2025年度にかけて引き上げ
  • 女性:2018年度から2030年度にかけて引き上げ(男性の5年遅れ)

老齢厚生年金の支給引き上げの期間に60歳~65歳になる方向けの支給開始年齢を見てみましょう。

男性:昭和28年4月2日から昭和36年4月1日までの間に生まれた方

女性:昭和33年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた方

【参考:50~60代の皆さんへ | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省

男性の場合は2021年時点で59~60歳になる方、女性の場合は2021年に54~55歳になる方が上記に該当することがわかります。

年金受給年齢の引き上げは、定年制度の改正に伴う空白期間を作らないように政府が配慮した結果と言われています。

一方で定年を考える年代が対象だからこそ、目を背けてはいけない公的制度の改正なのではないでしょうか。

定年後も働きたい人が増加

「人生100年時代」という言葉を見聞きするようになったように、高齢者でもまだ第一線で働きたいという意欲がある人が増えていると言えます。

厚生労働省が発表した「平成 30 年高齢期における社会保障に関する意識調査」によれば、生涯働きつづけたいと回答した方が約8%と一生現役でいたい人が少なからず存在することが判明しました。

また、「何歳まで働きたい(収入を伴う仕事をしたい)か」という質問については、

  • 「65 歳まで」が 24.9%
  • 「70歳まで」が 19.4%
  • 「60 歳まで」が 16.6%

と回答している方がいることが判明。

企業には70歳定年を努力目標としているものの、この先どのように方針が定まるかはわかりませんし、現在勤めている企業がどのような制度を整えようとしているかは会社によって異なります。

定年を考え始める年代こそ、60歳からの人生をどう過ごすかきちんと人生設計をしないと、後悔する可能性があるかもしれません。

定年前にやっておくべきことおすすめ3つ

ご自身の定年をどう捉えているかによって、人生設計の立て方や、やるべきことは変わってくるでしょう。

中には、定年を迎えてもどうにか働ける方法はないか模索している方もいるかもしれません。

この項目では、定年前にやっておくべきことを3つご紹介しています。

「備えあれば患いなし」ということわざがあるように、定年前に定年後の人生設計や仕事について考えることで、後悔のない定年後の生活を迎えられるでしょう。

早期リタイアする

定年延長を待たずして早期リタイヤするという方法が考えられます。

近年、会社に縛られず投資の運用などで生活費など資産を得る「FIRE(ファイヤ)」という新しい生き方が若者世代を中心に注目を浴びつつあります。

投資など長期的な資産運用を経ることで、受給が引き上げられている年金だけでなく、退職金に頼らず生活できるかもしれません。

早期リタイヤするには、投資に関する勉強や生活費を賄う資金・後述の起業などが必要になるものの、検討の余地はあるでしょう。

また、会社員時代に成し遂げられなかった「好きなことで収入を得る」という自己実現を目指した働き方も、早期リタイヤにより実現できるかもしれません。

在職中に副業する

定年を迎える前に自分のスキルを必要としている他者へ「副業」という形で提供することもできます。

「週末副業」という言葉もあるように、最近ではスキルを共有する「シェアリングエコノミー」「クラウドソーシングサービス」を活用した副業も注目を浴びています。

家でできるタイプのものから貸会議室など場所を借りて行うものなど様々あるため、手を出しやすくなったと言えるでしょう。

中には、在職中に副業して、定年後の起業を見据えた基盤を作る50代・60代もいます。

誰かに好きなこと・できることを広めたい方や、教えることが好きな方は検討してみると良いかもしれません。

実務型顧問として働いてみる

実務型顧問とは、社長や役員など経営改善に関する悩みを聞き、第三者目線でアドバイスしたり現場で従業員の育成・技術継承に携わったりするなど、業務委託契約で働くことを指します。

実務型顧問については当ブログの「「実務型顧問」として第二の人生を踏み出す!あなたのスキル経験を強みに」にもご紹介していますので、併せてご覧ください。

実務型顧問として働く方は部長以上キャリアを積んだ人から専門職まで様々おり、定年を考え始める50代以上の新しい働き方として注目されています。

最近では、実務型顧問になるには登録サイトを活用できるようになり、登録サイトを活用することで実務型顧問を副業としている人もいるほどです。

まとめ

日本では、法改正によって定年が70歳となる未来へ向けて動き出しており、2021年現在では65歳への定年延長がスタートしています。

定年の延長に伴う年金受給年齢の引き上げだけでなく、定年しても充実した人生を送りたい方は、定年延長に伴い人生設計自体を見直す必要がある場合もあるかもしれません。

また、まだ現役でいたいというライフスタイルに対する考え方も昔とは異なり、一生現役で居たいと考える方も一定数存在するのは現代ならではなのではないでしょうか。

今から定年延長の現実に向き合い、自分だったらどうするか考えながらできることに少しずつ取り組むのがおすすめです。

当ブログでは、定年を迎えてもまだ現役で居たいと願う方に向けて、実務型顧問という選択肢についてご紹介していますので、ぜひ人生設計を考える際の参考にしてみてください。