顧問という仕事が気になり派遣会社に登録して面談の話がきたものの、初面談ではどのような心構えや準備が必要か、気になるという方もいるのではないでしょうか。中には「初面談で一発採用されたい!だけど、面談に臨んで大丈夫なのだろうか」という方もいるでしょう。
自身の働く場が決まる面談となると、商談や会議などと空気が違うと言えるため、緊張することもあるかもしれません。
できれば、経験者の意見を取り入れながら、適切な準備と心構えで初めての面談もスムーズに進めて案件を無事に獲得したいものです。
そこで今回は、現役実務型顧問として10社との取引実績がある僕が、自らの顧問面談の経験をもとにクライアントとの初面談における心構えやポイント・コツについてご紹介します。
顧問派遣会社から案件紹介がきた!
顧問紹介の派遣会社に登録すると、要件に合う依頼があった場合は派遣会社の営業担当者から顧問の案件の紹介が来るようになります。
概要を確認し、お互いの条件が合致するとクライアントとの面談が実施されるというのが主な流れです。
2016年に会社を辞めて顧問という道を選んだ僕が、クライアントとの面談にどういう姿勢で臨めばいいのかについて、経験から準備や心構えをご紹介します。
面談までに準備しておくこと
経験上、実際に面談までに準備しておくべきことは主に以下の3つです。
- クライアント情報を確認しておく
- クライアント企業について軽く調査する
- 資料を準備する
それぞれについて、詳しくご紹介します。
(1)クライアント情報を確認しておく
まず、面談するクライアントに関する情報をもう一度よく確認しましょう。
確認しておきたい主なクライアント情報
- 企業体質
- クライアントのチームについて
- 案件内容
- どのくらいのスパンのプロジェクトか
- 顧問導入の経緯
- どの程度困っているか など
「案件案内を確認したのに、わざわざもう一度確認するの?」と思われるかもしれませんが、案件紹介の中だけでは語られないような内容も発見できるかもしれません。
事前に顧問派遣会社の営業担当者に可能な限りクライアント情報を共有できるようにお願いすることで、面談当日も円滑に話が進められるでしょう。
(2)クライアント企業について軽く調査
軽くで構いませんので、ホームページなどでクライアント企業についてもあらかじめ調査することをおすすめします。
ホームページに書いてある内容から、面談時での議論が盛り上がりそうなネタを拾い集めてみましょう。
企業の業務改善ポイントだけでなく、伸びしろがあるポイントなど、話題はたくさんあります。
僕の場合、Web系の顧問も担当しているということもあり、あらかじめクライアントの企業サイトを見るように心掛けています。
(3)資料を準備
面談時は、何かしら自身のアピールとなる資料を作成しておくと親切です。
アピール資料の一例
- 顧問実績のプロフィール資料
- 支援できる内容をイメージしやすくまとめた資料 など
資料といっても、手の込んだものではなく2~3ページ程度の書類をプリントするなど簡単で構いません。
ノートパソコンやタブレットを活用されている方は、プレゼンテーション資料としてまとめても良いでしょう。
- クライアント企業の問題点
- 自分が顧問として入ればどのように変わるのか
- プロジェクト進めていくための大まかな段取り
などを、すぐクライアントにイメージしてもらえるように、見やすさ・わかりやすさを徹底して作成することがポイントです。
初面談で僕が気をつけていること
準備も念入りにした後は、いよいよ初面談。
準備したことが水の泡にならないよう、初面談の場で実際に僕が気をつけていることを特別に公開します。
(1)求められているのは「顧問」
大きい企業が相手の場合、人によっては変にかしこまったり、へりくだってしまったりするかもしれません。
しかし、僕は大きい企業からの面談依頼だからと言って、かしこまったり、へりくだったりすることは違うのではないかと考えます。
クライアントは問題点や新規開拓について自社では知見がなく社内で解決できないという理由があるからこそ、わざわざ面談の時間を設けて外部から顧問という「先生」を招くための準備をしている、ということを忘れてはなりません。
「お客さん(クライアント)」と「売り込む人(顧問)」の関係のままでいると、否が応でも主従関係となりやすく、お互いに建設的な議論ができないでしょう。
さらに「受注します」となり無事に契約が成立したとしても、契約後に些細なことでクライアントともめたり、クライアントの言いなりになり疲弊してしまう可能性が高いと言えます。
一方で、上から目線で評論家的な立場になってはクライアント企業からも信頼を得られなくなりやすいため、顧問としてはNGの態度です。
顧問として面談に望む際も、相手を思い遣る謙虚な気持ちを忘れずにいて欲しいと僕は思います。
(2)友達の相談にのるように
「友達のように」といっても、初めから「フランクな態度で接しろ」という意味ではありません。
友達が自身を頼って相談してくれたときのように、相手の立場に立って悩みに耳を傾け、経験をもとに相手に助言することが大切なポイントです。
友人関係では、基本的に損得勘定はありませんよね。
自身が「得する・しない」、相手が 「得する・しない」を抜きにして相手の話しに最後まで耳を傾け、クライアント企業の困りごとに対して「あなたなりの助言」をしてみましょう。
(3)いかに本質的な議論ができるか
顧問の面談は、1時間程度であることが一般的です。
僕の経験上、1時間という限られた面談の中でいかにクライアントの隠れた潜在意識までたどり着き、「この人なら課題を解決してくれそう」と感じてもらえるかが重要だと感じています。
顧問の面談では、建設的ながらもクライアントの悩み・課題に助言していく本質的な議論ができるかどうかが、合否に関わる重要な部分です。
クライアントが何に悩み、どのような課題を抱えているかにきちんと耳を傾け、自分の経験やスキルでどのように解決できるかを即座に考え、クライアントと共有できるような面談を目指しましょう。
初面談後、営業を通してクライアントのやりとりも発生
意外かもしれませんが、1回の面談で「ではよろしくお願いします」と案件が決まるということは稀です。
顧問の派遣会社の営業担当が紹介者として間に入っていることもあり、実際の受注までに何度も細かい部分を調整するということも多々あります。
特に、費用面についてや工数については調整が入りやすい傾向です。
あらかじめ顧問登録派遣会社を経由して提示できるようにしておくと、クライアントとの交渉時間を短縮できるかもしれません。
まとめ
実務型の顧問として顧問契約を結んで活動している僕の体験談をベースにした、初面談の心構えやポイント・コツをご紹介しました。
顧問の面談が舞い込んでくるととても嬉しいものです。
しかし、早く採用されたいという焦りや横柄な態度・慇懃無礼な態度が強いと、思いもよらぬところで悪い印象を与えてしまいかねません。
僕は経験上、顧問の面談から受注が成功するまでは力むことなく丁寧に応対できる忍耐力と相手に対する共感力・思いやりの精神が必要だと感じています。
最初の案件ということであれば、よほど難がありそうでない限り、顧問の実績や経験を積むために相手から求められた仕事を受注しておくと後に役立ちますよ。
ただし、顧問の業務に慣れてきた場合、難しいと思ったクライアントは断ることも時には重要です。
今回お話しした僕の経験談が、自身の顧問の初面談を乗り切るヒントとなれば幸いです。