顧問という仕事が気になり顧問派遣サービスの登録は済ませたものの、なかなか初案件がこなく悩んでいるのではないでしょうか。
早く案件獲得して、顧問としての活動をスタートさせたいという方もいるでしょう。中には、登録後どんな流れで案件がくるのか把握しておきたいという方もいるかもしれません。
そこで今回は、現役の実務型顧問として活躍する筆者が顧問派遣サービスの登録から案件受注までの8ステップを徹底解説します。
初案件を獲得して顧問の活動を始めたいと考えている方のヒントになる受注率アップのコツもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
顧問派遣サービスにまずは登録
顧問を始めようと思ったら、まずは顧問派遣サービスや顧問派遣会社に登録するようにしましょう。
盲点なのが、顧問派遣会社1社だけに登録するというもの。1社だけの登録となると、仕事の数も限られてしまうためです。
顧問派遣サービスによって得意とするクライアントの業界や規模もさまざまであるという理由や自身に合う案件を吟味するということも含め、できれば5社以上の顧問派遣会社に登録することをおすすめします。
「まだ1社しか登録していない!」という方は以下の記事で顧問派遣サービスの登録サイトの選び方やおすすめをご紹介しているので、参考にしてみてください。
登録から案件受注までの流れ
僕の顧問経験上、登録から案件を受注するまでの具体的な流れは大きく8つのポイントに分けられると考えています。
また、注意すべきポイントを把握することで、いざ初案件のオファーが舞い込んできた際も慌てないだけでなく案件獲得しやすくなるでしょう。
ステップ1:登録
顧問派遣サービスは、ただ登録すれば良いというものではありません。
派遣登録サイト内に設置されている職務経歴書と実績にこだわりながら、資料作成することが大切だと僕は感じています。職務経歴書と実績をこだわることで、案件を紹介してくれる派遣会社スタッフの方も企業とあなたをマッチしやすくなるのです。
職務経歴書の書き方に自信が無いという方やこれまで意識していなかったという方は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。
【超重要!】顧問紹介サービスに登録する職務経歴書作成時のポイント
ステップ2:顧問派遣サービスの担当者と面談
入力した基本事項を確認し、これまでの経験や経歴から、どのように顧問として支援ができるのかをわかりやすくアピールできているかどうかをチェックしましょう。
顧問派遣サービスに登録すると、派遣会社の方が基本事項をチェックします。
基本事項とは、就職活動や転職活動で使われる人となりがわかる履歴書と、あなたの実績がわかる職務経歴書です。登録時の基本事項をもとに、顧問派遣サービスの担当者(キャリアコンサルタント)があなたと面談します。
ステップ3:キャリアコンサルタントが社内で共有
顧問派遣サービスで面談を担当したキャリアコンサルタントが顧問派遣会社内で管理するデータベースにあなたを登録すると、顧問派遣サービスから案件の相談がくる準備ができた状態となります。
顧問登録者側は、登録した後も自身でデータベースを更新しても問題ありません。案件を獲得し、実績ができたらデータベースを更新するなどを欠かさないようにすると良いでしょう。
また、顧問派遣サービスによってはデータベースをもとにランク付けされることもあります。
ステップ4:案件の相談がくる
顧問派遣サービスのデータベースをもとに、あなたの経歴にマッチする案件がある場合は、顧問派遣登録サービスから連絡が入るようになります。
連絡手段は顧問派遣サービスや営業担当者によって異なり、メールや電話などさまざまです。
僕のおすすめは、まずはメールでやりとりしながら詳細などを確認したいときに電話で探るという方法。実際に案件概要を聞いて、クライアントと営業担当者の認識が違っていることも多々あるのが顧問の世界です。そもそもの課題を電話しながら深堀りすることで課題自体が変わったり、クライアントの問題解決への近道がわかったりすることもあります。
ステップ5:顧問派遣サービスの担当者からクライアント企業へ打診
顧問派遣サービスの営業担当者が「こんな顧問いますけどいかがですか?」と企業に提案し、「よさそう、うちの問題解決してくれそう。話聞いてみるか」となれば、三者面談の準備がはじまります。
このときに、自分以外にも複数の顧問候補を同時に提示されていることもあるため、面談間の準備は念入りにしておきたいものです。僕も、面談前は入念に準備しています。
以下の記事で僕の顧問面談体験について紹介していますので、三者面談が決まったという方は一読してみてください。
企業との顧問面談、僕はこう臨む!面談までの準備と心構えについて
ステップ6:三者面談
三者面談は、顧問派遣サービスの営業担当とクライアント企業担当者を交えて開かれるのが一般的です。
三者面談では、クライアント企業担当者から直接悩みや課題を聞けるチャンス。友達の悩み相談に乗るような気持で、自分の経験から解決できるかどうかを確認するだけでなく、あなたなりの解決策を提示してみてください。
ステップ7:後日詳細についてやりとり
三者面談後は面談時にヒアリングできなかったことだけでなく、クライアント企業が社内に持ち帰ったときに上司へ報告する際に出てきた疑問点などについて、改めて別途詳細のやりとりが発生する場合も。
また、実際にあなたに顧問をお願いする際の顧問料や課題解決までの工数などについてもやりとりすることもあります。三者面談が済めば即契約ということのほうが少ないと思っておいたほうが、ある程度の心構えもできて良いと僕は思います。
ステップ8:受注決定
詳細のやり取りを経て、あなたとクライアント企業の双方が納得いったら、晴れて案件受注です。
案件の受注が決まると、契約書を交わすことが一般的です。契約書を交わすと、ほどなくキックオフミーティングが開催されるのですぐ準備に取りかかり、滞りないミーティングにしましょう。
受注の確率を上げるには
顧問派遣サービスに登録した後、自分の受注率を上げたいという方も多いかもしれません。
現役実務型顧問である僕の経験上、案件の相談から受注までスムーズに進むときもあれば、どこかでつまづいてしまうときもあると言えます。
「案件の相談」「顧問派遣サービスの担当者からクライアント企業へ打診」「三者面談」「後日詳細についてやりとり」のステップで、お互い条件や認識が合わずボツになることもあるものです。
ですが、受注の確率を上げるためにあなたができることは3つあります。
支援可能な案件かどうか吟味
支援可能な案件かどうかを吟味し、顧問派遣登録サービスの営業担当に「この顧問なら自信をもってクライアントに紹介できそう」と思わせられるかどうかが受注率アップのカギです。
「案件の相談」から「顧問派遣サービスの担当者からクライアント企業へ打診」のステップで、しっかり顧問派遣登録サービスの営業担当とやりとりすることで、ミスマッチ防止につながります。
また、自分が支援可能である案件かどうかだけでなく、支援内容や工数・報酬が見合っているかを確認しましょう。
三者面談でお互いの疑問をクリアにする
三者面談では、かしこまりすぎず、腹を割ってしっかり議論を交わすことをおすすめします。クライアントが抱えている問題や社内のリソース状況のヒアリングは特に重要です。
「自分が顧問に入ることで課題が解決しそう」ということをイメージしてもらえるように、親身になって助言することをおすすめします。
工数、報酬もしっかり検討
案件を獲得することも大切ですが、報酬に見合った工数かどうかや報酬交渉も大切です。
顧問派遣登録サービスがクライアント企業側にどの金額を提示しているかは、残念ながら私たちにはわかりません。目安としては、顧問側が提示する報酬に派遣サービスが上乗せしてクライアント企業へ提示していることが一般的です。
工数や報酬面で折り合いがつかないこともありますが、僕の経験上、無理をすると案件が回り出してから大変なので安請け合いはしないことをおすすめします。
まとめ
案件の相談がくる顧問になるためには、まず、自身ができることから始めてみることが大切です。職務経歴書や履歴書・実績資料などを整備したり登録内容を適宜更新したりするなどは、顧問の実績がない状態でもすぐできるでしょう。
また、案件の案内が来るようになった際は、ひとつひとつの案件を丁寧に対応し、受注になったら全力で支援しながら、ひとつずつ実績を積み上げていくことが顧問にとって大切だと僕は経験を通して感じています。
何事も過程が大切です。
たとえ紹介案件がボツになったとしても、案件に費やした過程を顧問派遣サービスの担当者はきちんと見ています。
顧問としての姿勢や取り組み方は、派遣登録サービスの担当者たちに常に試されているこということを忘れずに、細かな部分も真摯に取り組んでみてください。