人生100年時代。「定年後も仕事をしたい」「今までの経験を生かして、老後も生き生き働きたい」と考える方も多いのではないでしょうか。60代で定年を迎えたとしてもまだまだ生活は続くので、最近では50代から定年後の仕事について検討する方も増えてきています。
今回は、定年後の仕事探しのポイントを解説しつつ、定年後の仕事としておすすめの「実務型顧問」についてご紹介します。定年退職後の仕事探しに不安がある方や、「実務型顧問」という働き方に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
定年後におすすめなのはどんな仕事?
定年後の仕事探しは、どんなことを意識して行えば良いのでしょうか?
定年後におすすめの仕事や、仕事探しのポイントをまとめました。
経験を生かして働ける
定年後の仕事としてまずおすすめなのが、これまでの職歴や経験を生かして働ける仕事です。これまでさまざまな経験を積んできたシニア層の方は、せっかくならその経験を定年後にも生かしたいですよね。
定年後にこれまでまったく縁の無かった業種に挑戦するのはそれなりの気力や体力がいりますので、「慣れた業種で生き生き働きたい」「培ってきたスキルを生かしたい」という方は、経験を生かせる業種に絞って仕事を探してみると良いでしょう。
体力・時間にゆとりがある
定年後の仕事探しのチェック項目として、「体力・時間にゆとりがある」ということも挙げられます。
やはり60代以降は歳を重ねるごとに体力が落ちてきますので、重労働がともなう仕事や時間的な拘束が多い仕事はあまりおすすめできません。「現役時代はこれくらい余裕だった」と感じていても、思わぬところで体の衰えが出てくることもありえます。
かといってまったく体を動かさないのも不健康ですから、定年後は体の負担にならない程度の仕事を選ぶようにしてみましょう。
やりがいを感じられる
定年後の仕事探しにおいて、「やりがい」を重視したい方もいるでしょう。
一口に「やりがい」といっても色々な形があり、たとえば現役世代に交じって現場でバリバリ働くことにやりがいを感じる場合もあれば、地域の活性化や子どもの見守りなどボランティア的な活動にやりがいを感じる場合もあります。また、仕事内容に関わらず「収入面が良いとやりがいを感じる」という方もいらっしゃるでしょう。
大切なのは、自分の性格や譲れない仕事条件、活躍したい分野などを明確にして仕事を選んでいくことです。定年後も働くということは、収入面以外にも「生活にメリハリが出る」「社会とつながることでやりがいを感じられる」といった意義もあります。
収入や体力的な都合だけで仕事を決めてしまうと後々しんどくなってしまうことも考えられますので、仕事探しの際にはぜひ自分なりの「やりがい」を大事にしながら探してみてくださいね。
定年後の仕事探しについては、こちらの記事もご覧ください。
定年後の仕事探しの方法とは?準備するべきことやポイントをご紹介
次からは、
- 経験を生かせる
- 体力や時間に余裕がある
- やりがいを感じられる
といった点で定年後のシニア世代におすすめの「実務型顧問」についてご紹介します。
定年後の仕事に実務型顧問がおすすめの理由
近年広がってきている「実務型顧問」という働き方。一度は聞いたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、定年後の仕事として実務型顧問がおすすめである理由を詳しくご紹介します。
これまでの資格や経験を生かせる
実務型顧問は、現役時代に積み上げてきた経験やスキルを存分に発揮できる仕事です。
現役時代のスキルや専門知識などを生かした例でいうと、
- 技術的な問題を解決する技術顧問
- 人材育成をサポートする人事顧問
- 営業戦略などをサポートする営業顧問
などがあり、さまざまな分野で実務型顧問が活躍できることが分かります。
課題を抱えている企業に対してこれまでの経験やスキルを使って解決策をアドバイスしていくのが実務型顧問の仕事なので、実務型顧問として働けば、定年後も現役時代に培ってきた経験をフルに使って働けるでしょう。
実務型顧問の仕事は相手先企業に与える影響が大きいぶん責任も大きいですが、自分のアドバイスをきっかけに企業の業績が伸びたり課題が解決したりするのは、働く上で大きなやりがいにもなります。
柔軟な働き方ができる
実務型顧問として働けば、時間や体力にゆとりを持った柔軟な働き方が可能です。
実務型顧問には決まった勤務時間や勤務日数があるわけではなく、多くの場合、相手先企業との話し合いなどによって働き方を柔軟に決められます。
- 月1〜2回出社
- 週1回出社
など、勤務形態は業種や契約内容によってさまざま。契約期間も、長期の案件から半年のみの短期のものまでいろいろあります。
働き方を自分次第でコントロールできる部分が大きいので、「時間に縛られずゆとりを持って働きたい」というシニア世代の方にはぴったりの仕事だと言えますね。
収入もしっかり確保
実務型顧問の収入は仕事内容や契約形態によっても変わってきますが、一般的には現役世代の会社員と同じくらい稼ぐことも可能です。
後ほど詳しくご紹介しますが、実務型顧問の年収は1社との契約で平均180〜240万前後。さらに、月に数回しか出社しないスタイルであれば、複数社の掛け持ちもできます。
実際に実務型顧問として会社員以上の収入を得ている人も多くいるので、頑張り次第では定年後の金銭的にゆとりを持って暮らせるでしょう。
実務型顧問の働き方をご紹介!
実務型顧問のおすすめポイントが分かったところで、「実務型顧問って具体的に何をするの?」という疑問も出てきますよね。
ここでは、実務型顧問の仕事内容や収入、働き方についてご紹介します!
顧問の種類
まずは、顧問の種類について整理しておきましょう。
顧問には主に3種類あり、
- 従来型の「内部顧問」
- 社外の人材と契約する「外部顧問」
- 外部顧問の中でも、実際の現場に出たり専門的なアドバイスをしたりする「実務型顧問」
に分けられます。
内部顧問は、会社の社長や役員などが引退後に就任する顧問で、従来の顧問のイメージというと内部顧問を思い浮かべる方も多いでしょう。
外部顧問は社外から顧問として企業に迎え入れられる顧問で、法律関係のアドバイスをする法務顧問や税金関係をサポートする税務顧問などがあります。
最後に実務型顧問ですが、実務型顧問は実際の現場で指導したり実務的なサポートをしたりするのが特徴です。
次に、実務型顧問の具体的な仕事内容をご紹介します。
実務型顧問の仕事内容
実務型顧問は、人事経験を生かして人材育成をサポートしたり、人脈を生かして新たな販路を生み出したりといった、より現場に近い課題に対してアプローチしていく仕事です。
- 営業や販路拡大
- マーケティング
- 人材育成
- 製造の技術支援や流通管理
- 海外進出の支援
など、経験や知識を生かして実務面で企業の成長をサポートします。
「自分には資格や専門スキルなんて無い…」と思っている方でも、長年一つの業界で真摯に働いてきたのであれば、何かしらの専門スキルや経験などがあるでしょう。そんなスキルや経験を使って他の企業の課題を解決に導いていくのが、実務型顧問の特徴です。
自分ではなんてことないと思っていた経験でも、他の企業からすると業務改善につながる大切な教えになるということもあります。スキルや経験次第で誰にでもチャンスがある「実務型顧問」という働き方は、長年仕事を続けてきた定年後の方にこそぴったりな仕事なのです。
顧問の年収
顧問として働く上で気になるのが収入ですよね。ここでは顧問の平均年収についてご紹介します。
内部顧問の平均年収は、役員と同程度の年1000万円前後。「会社のOBが顧問として名前だけ残している」といった場合には無報酬のこともありますが、平均的にはそれくらいもらっていることが多いです。
対して外部顧問や実務型顧問の収入は、相手先企業や契約形態、仕事内容などによっても変わります。
企業と直接顧問契約をする場合は報酬が100%自分に入ってきますが、初めて顧問活動を始める場合は顧問マッチングサービスなどを通して契約することも多いでしょう。その場合、顧問報酬からマッチング会社のマージンが差し引かれるため、実際の収入は直接契約より低めになる傾向にあります。
企業が外部顧問に支払う報酬は、月2回出社で平均月額30~40万円と言われています。
この場合マッチングサービスのマージンを考慮すると、派遣元:顧問=5:5なら顧問の手取りは15〜20万円、年収は180〜240万前後となります。
報酬の割合は派遣サービスによってまちまちなので、顧問として高い報酬を得たいのであれば、はじめの派遣サービス選びも気をつけたいポイントですね。
このように計算すると、実務型顧問として高収入を得るのは一見難しそうにも感じてしまいますが、契約企業と2〜3社に増やすとそれだけ収入もアップします。定年後で時間にゆとりがある状態だと、複数社契約することも十分可能ですよ。
【まとめ】定年後は実務型顧問として経験を生かして働こう
今回は、定年後の仕事探しで意識したいポイントと、定年後におすすめの「実務型顧問」という働き方についてご紹介しました。
時間や働き方にゆとりがあり、これまでの経験や知識を存分に発揮して働ける実務型顧問は、定年後も経験を生かした仕事をしたいシニア世代におすすめです。
このブログでは、他にも実務型顧問に関するリアルな情報をお伝えしています。実務型顧問という働き方に興味がある方は、ぜひ他の記事も見てみてくださいね。
実務型顧問になる実際の方法については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。