「再就職、再雇用どちらが有利?」「65歳からは何をする?」「スキルを生かして働きたい」定年の二文字が視野に入り出す50代、こんな不安を抱える人は多いのではないでしょうか?
この記事では、「再就職・再雇用」と並び、第三の働き方として大注目の「実務型顧問」という働き方についてご紹介します。定年後の働き方・生き方に迷っている方の、新たなひらめきの一助となることを願っています。
60歳を迎える前に知っておきたい定年後の現実
定年後の仕事の世界とはどんなものでしょうか?まずは「再就職・再雇用」にスポットをあててみましょう。
「再就職、再雇用」のメリット・デメリット
サラリーマンの多くの人が、定年後は再就職や再雇用という形で働いています。実際にどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
再就職
定年後に自分で求人を探すタイプのものです。求人はハローワークや全国の市町村に設置されたシルバー人材センター、転職サイトなどで探すことができます。すぐに就職先がみつからない場合は、ブランクが空くことも想定されますが、退職後は自分のペースで再出発したいと考えている人にはおすすめです。
《メリット》
- 「高年齢再就職給付金」を受けられる
- スキルやノウハウにより仕事をえらべる
- 65歳以上も働ける可能性があり
《デメリット》
- スキルがなければ、低賃金の職種になる可能性があり
- 希望しない職種になる可能性があり
再雇用
一度退職したあとに同じ企業(子会社やグループ会社も含む)で雇用されるタイプのものです。
2013年の法改正「年金受給時期の引き上げ」に伴い「継続雇用制度」が発足したことにより、基本的には本人が希望すればどの企業でも65歳まで働くことができるようになりました。定年後継続して雇用されますので、ブランクが空くことがなく働くことができます。
《メリット》
- 「高年齢雇用継続給付金」を受けられる
- 以前と変わらない環境で働ける
《デメリット》
- 65歳以上は働けない可能性があり
- 給与が下がる可能性があり
再就職・再雇用とも「高年齢再就職給付金」を受けられるメリットはありますが、
デメリットとしては、
- 賃金の低下
- 年齢制限
- 希望外の職種
この3点の可能性は少なからずあると心得ておいたほうがよいでしょう。
年齢は関係がない。今すぐでも始められる「実務型顧問」
自らの経験、培ってきたスキルやノウハウ、これらのキャリアを「お金に変える」という発想で、自らの足で立つという選択肢があります。それが新たに大注目の「実務型顧問」という働き方です。
企業に「顧問」として入り、現場のメンバーと一緒に企業の事業に参画する意もあり、また従来の顧問と区別する意もあり「実務型」と呼ばれています。
実務型顧問なら、始めも終わりも自分次第
実務型顧問は、個人事業主です。雇用されるのとは違い、いつでも始められますし、いつでも終わりを迎えることができるため、年齢による制限はありません。極端なことをいえば、明日会社を辞めて始めてもいいわけです。まさに自分次第です。
人生100年といわれる今、シニアだから隠居生活一択の時代ではもうありません。年齢に関係なく働けることは、収入面で潤うだけではなく、生きる意義を感じられるという大きなメリットがあります。
培ったスキルとノウハウが「存分に」生かせる
自分自身が当たり前だと思っているスキルやノウハウは、実は誰でも持っているものではありません。普通のサラリーマンが、長年に渡り誠実に仕事を続けてきた中で学んだことは、立派なスキルです。
一歩違う世界に踏みこんだら、「その知見がほしかった!」という声があがり、そのスキルが業務改善につながることも少なくありません。
再就職でもスキルを生かして職種を選べますが、「雇用」という形で仕事をする以上、それをフル活用できるかどうかは入ってみなければわかりません。それに比べ、実務型顧問は自分のスキルを最大限に生かすことを求められる仕事です。自分のスキルに対するモチベーションは全く違います。
「実務型顧問」今からすべき準備とは?
今すぐにでも始められる「実務型顧問」ですが、準備は念入りにする必要があります。
顧問派遣会社の違いや条件を知る
実績のない顧問に、企業が何の脈絡もなく直接依頼をすることは皆無です。まずは顧問派遣会社に登録し、紹介サービスを受け、顧問としての実績を作るのが得策です。
顧問派遣会社は現在約20社ほど存在します。それぞれに特色がありますので、紹介の仕組みや必要な費用、どんな業界に強い会社か、などできる限り情報を集めることが必要です。
中には、企業へのセールスが弱かったり、企業フォローを顧問にまかせっきりという会社があるのも事実です。企業のニーズを的確にくみ取り、ニーズにマッチした人材を派遣できる会社は限られています。
おすすめの顧問派遣会社については、こちらの記事をご参考ください。
個人事業主の心構え・キャリアの棚卸しをする
サラリーマン時代との一番の大きな違いは「個人事業主」になることではないでしょうか。どこにも所属せずに働くのはこれが初めてという人も多いかもしれません。企業とも顧問派遣会社とも対等な立場になり、晴れて自由の身です。
しかし個人事業主は、良くも悪くも自分次第です。自分の考え・言動・ふるまいが直接自分への依頼の有無、ひいては収入に大きく影響します。サラリーマンとは180度立場が違うということを認識し、身を引き締める思いで臨む必要があります。
また自分のキャリアを今一度棚卸ししましょう。
- 自分の強みはどこなのか
- 他にはないスキルやノウハウがあるか
- さらに伸ばすべきキルはなにか
こういった点について、自分を徹底的に分析します。職務経歴書に書けるレベルまで落とし込んで熟考しておきましょう。
退職し、人材サービス会社に登録する
晴れて会社を退職したら、早速顧問派遣会社に登録をします。
登録自体は簡単ですが、この時に大切なのが「職務経歴書」の登録です。職務経歴書と実績にこだわって丁寧に入力することで、案件の紹介率が断然変わってきます。やはり前項でもお伝えした通り、顧問派遣会社登録前に記入内容を熟考しておくとよいでしょう。
次に待ち受けているのは、顧問派遣会社の営業担当者との面談。あとは、営業担当者からの案件紹介を待つのみです。
顧問派遣サービスの登録以降の流れを知りたい人は、こちらをご参考ください。
⇒【現役顧問が徹底解説】顧問派遣サービス、登録から案件受注までこう進む!
「定年」の概念にとらわれずに生きる
普通のサラリーマンが、「定年」を意識しない時代がやってきました。実務型顧問として働くことは、「再就職」でも「再雇用」でも「起業」でもない新しい働き方です。
「でも本当に自分に顧問が務まるだろうか?」
そう不安に思う人も多いかもしれません。今までの「顧問」は、一流企業の役員報酬者の顔役としてのイメージが強いことが原因でしょう。でもこれから求められるのは、高いスキルを持ち現場で企業のプロジェクトメンバーと一緒に戦う「実務型顧問」です。
実務経験を積んできた人であれば、必ず持っているスキル。それをいかすことができればいわゆる「定年」の概念にはとらわれずに生きていくことができます。「サラリーマン経験は宝の山」この言葉をぜひ忘れないでほしいものです。
まとめ
サラリーマンの定年後の働き方は、今までは再就職や再雇用が一般的でした。給付金が受け取れるなどのメリットがある一方、賃金の低下・希望外の職種・年齢制限などデメリットがあるのも確かです。
それに比べ、おすすめの「実務型顧問」という新たな働き方は、自分のスキルをフル活用でき、年齢制限もありません。個人事業主としてやっていく責任感と心構え、自分のスキルを棚卸しさえしておけば、長年に渡り誠実にサラリーマンとして勤めスキルを持つ人なら誰でも挑戦できます。
あなたも「サラリーマン経験は宝の山」この言葉を胸に、定年後は「実務型顧問」として働いてみませんか?ぜひおすすめします。