今後70歳まで働くことが当たり前になるかもしれないと言われていますが、一方で早期退職者を募集する企業は増えています。
動きが矛盾する現代で、今後の働き方に悩みを抱えている人は少なくありません。早期退職の対象となる平均年齢はどれくらいなのか気になる人も多いのではないでしょうか。早期退職者を募集する対象年齢は企業によって異なります。
今回は早期退職者が増えている現状と対象となる年齢は何歳なのか、年齢に縛られない働き方をするためにはどうすればよいのかについて解説します。すでにリタイアしている60代の人にも注目されている実務型顧問という働き方についても詳しく解説しているので、生涯現役で働きたいと考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。
早期退職者を募集する企業が増えている
2025年4月からすべての企業で60歳から65歳への定年延長が義務となります。より長く働ける制度が整えられる一方で、早期退職者を募集する企業が増えています。これはどのような背景からなのでしょうか。現状について解説します。
早期退職者募集人数は累計1万人越え
東京商工リサーチの調査によると、2021年1月~3月までで早期退職者を募集した上場企業は50社になることがわかりました。これは前年の33社よりも17社増えており、募集人数も1万人を超えています。
1万人を超えるのは3年連続となっており、これはリーマンショック以降の高水準です。また東京商工リサーチが上場企業含む9,000社に調査を行なったところ、約2割が早期退職制度を検討、または導入すると回答したことが分かりました。このことから今後も早期退職者を募集する企業は増えていくと考えられます。
早期退職の対象年齢は「55歳以上」が約4割
早期退職を募集する対象年齢は企業により異なります。東京商工リサーチの「早期退職やセカンドキャリアに関するアンケート」によると、早期退職・セカンドキャリアの対象年齢として最も多かったのは「55歳以上」で、全体の約4割でした。
次いで50歳以上と回答した企業が約23%、45歳以上と回答した企業も全体の約12%を占め、一部の企業では「29歳以下」と回答した企業もありました。今後導入に前向きな企業も多く、どの企業がいつ早期退職者を募集してもおかしくない時代です。
対象年齢も現在は50歳以上が多いとはいえ、今後30代、40代と対象年齢の基準が下がっていくことも十分に考えられます。定年制に期待せず、いつどのような選択肢に進んでも大丈夫なように今から準備しておくことが必要かもしれません。
早期退職者を募集する背景
2008年のリーマンショック以降、早期退職者を募集する企業は減少傾向にありましたが2017年以降は再度増加しています。
企業が早期退職を募集する背景として「業績の悪化」や「人員の再構築、組織の若返り」などがありますが、近年では前者を理由に募集する企業が多い傾向にあります。業績悪化の理由は企業により異なりますが、今働いている会社に業績悪化の兆しが見られたら、早めに対策を立てておくのがよいかもしれません。
早期退職後、年齢に縛られない働き方をするためには?
安定した会社で定年まで働けるなら安心ですが、終身雇用制度は崩壊しつつあります。大手企業でも確実な安定や保証はないと考えておいたほうが良いかもしれません。年齢に左右されることのない働き方を模索している人も多いと思います。ここでは組織や年齢に縛られない働き方をするためのポイントについて解説します。
得意なことを仕事にする
50代・60代から再就職や転職を考えている人も多いと思いますが、求人状況は正直厳しい傾向にあります。就職できたとしても年収が大幅に下がったり、定年までの数年しか働けなかったりということも多いでしょう。組織で働くとどうしても年齢制限の壁にぶつかる日がきます。そこでおすすめなのが自分のこれまで培ってきた経験や得意なことで独立することです。
会社を立ち上げたり、人を雇ったりなど大きなことをする必要はありません。今はネット環境も発達し、場所を選ばずに働ける時代です。得意なことやスキルさえあれば、それを必要としている人へ提供する仕組みを作ることで、年齢に縛られない働き方が可能になります。
独立を視野に入れるならば、準備が必要
とはいえ、計画なく希望退職して独立しようという考えはおすすめしません。独立を視野に入れるならば、綿密な計画と準備が必要です。
どのような事業をするのか、見込める収益はどのくらいか、成功のために必要な人脈やスキルは何かなど考えてみてください。独立の規模にもよりますが必要な備品や道具、仕入れなど資金も必要になるでしょう。
早期退職後も働きたい人におすすめの実務型顧問
独立には憧れるがゼロから自分で仕事を作り出すのは難しいという人は、実務型顧問という働き方がおすすめです。詳しく解説します。
実務型顧問の仕事
実務型顧問は持っている専門知識やスキルを活かして企業が抱える課題に対してアドバイスしたり、実務面のサポートを行なったりするのが役目です。活躍の場は幅広くIT業界や人材業界、海外関連や研究事業などの分野で需要があります。
これまで培ってきたスキルを活かして働けることはもちろんですが自分のペースで働ける、年齢を気にせず生涯現役で働ける、頑張った分だけ報酬が稼げるなどメリットがたくさんあるのが実務型顧問です。
実務型顧問の報酬はどのくらい?
実務型顧問の報酬についてですが、企業との契約内容により幅があります。また派遣会社を通すか通さないかでも異なります。例えば派遣会社を利用して月2回出社の契約をした場合は、一般的には顧問の取り分は10万~20万円となります。
実績を出せば直接契約の声がかかることもあるでしょう。そうすれば企業からもらう報酬がすべて自分の報酬となるので更にもらえることになります。
もっと稼ぎたい場合は、複数の企業と契約することで報酬アップを狙えます。例えば月2回出社で10万円の契約を5社とすれば月収は50万円です。頑張り次第では会社員時代の給料を上回ることも可能でしょう。
実務型顧問の報酬や案件獲得のコツについては、こちらの記事も参考に。
案件に困らない人気顧問に!スムーズに案件獲得するためのコツを紹介!
実務型顧問として活動するために必要なこと
次に実務型顧問として活動するために必要なことをまとめましたので、参考にしてください。
自己分析を行なう
実務型顧問として活動していくためには、はじめに自分の強みを分析し、理解することが大切です。なぜなら自分で強みが理解できていなければ、企業に的確にアピールできないからです。
これまでの社会人生活を振り返り、自分の実績や持っているスキルを洗い出してみましょう。これまで気づかなかった強みを見つけられるかもしれません。また実務型顧問として長く活躍していきたいのならば、今持っている強みをさらに伸ばす努力も必要になってくるでしょう。
顧問派遣サービスに登録する
自分の強みが分析出来たら、顧問派遣サービスに登録しましょう。顧問派遣サービスに登録すると、自分の強みとマッチする案件を紹介してくれます。顧問紹介サービスは複数あり、それぞれ特徴や持っている案件のジャンルが異なるので、複数登録しておきましょう。
派遣サービスに登録後、案件が紹介されたら実際に企業と面談します。報酬や業務内容、出勤日数などの条件について双方が合意すれば顧問契約を結び、契約内容に則って業務を開始します。
まとめ
早期退職が増えている現状と年齢に縛られない働き方をするためポイント、実務型顧問について解説しました。65歳定年延長性が義務化される一方、早期退職者を募集する企業は増えており、どのような大企業でも定年まで安定して働けるとは限らない時代です。
早期退職者募集の時になって慌てることのないよう、考えられる選択肢に備えて準備しておきましょう。得意なことを仕事にして独立することは、年齢に縛られず自分のペースで働けますが、思い付きの独立は取り返しのつかない失敗をしてしまうかもしれません。事業計画や資金繰りなど入念に準備しましょう。
得意を活かした仕事をしたいけれど、ゼロから仕組みを作り上げるのはハードルが高いと感じる人は、実務型顧問はいかがでしょうか。これまで培った専門知識を活かして企業に貢献できるのでやりがいを感じられますし、頑張り次第で大きく稼ぐことが可能です。年齢に縛られない働き方の選択肢として視野に入れてみてはいかがでしょうか。早期退職後の成功を応援しています。