顧問契約をするにあたって 〜顧問契約のメリット・デメリット〜

企業にとって思いがけないトラブルが起きた時や専門的な観点からアドバイスを行って欲しい時に頼りになるのが顧問と呼ばれる方です。多くの経験と知見を持っている顧問は、いざというときに相談役となってくれるのですが、誰でも顧問として活躍できるチャンスがあることをご存知でしょうか?

また、最近では働き方改革が追い風となり、副業として顧問を行う方も増えてきています。

今回は「顧問契約をするにあたって〜顧問契約のメリット・デメリット〜」と題して、顧問として働くことに興味がある方にぜひ知っていただきたい顧問契約のメリットとデメリットを詳しく解説していきます。

顧問とは企業に対して助言を行う人物

顧問として働く際に必要となるのが顧問契約です。しかし、初めて顧問として働く方にとってどのような契約なのかイメージが湧きにくいのではないでしょうか。

顧問契約とは、特定の業務スキルや知見、ノウハウを持っている人物に対して月額や勤務時間によって顧問料を支払う代わりに企業に対するアドバイスや一定の処理を行ってもらう契約のことを指しています。会社員として雇用契約を行う場合は、さまざまな業務内容を遂行させることが可能ですが、顧問契約の場合は基本的にはあらかじめ定められた業務のみを行うこととなります。

最近では、法律の改正や契約書類の複雑化している背景もあり弁護士や会計士などの専門家と顧問契約を行う企業も増えてきています。

顧問契約と似たような働き方として比較されがちなのが業務委託契約です。顧問契約も業務委託契約の一種ですが、業務委託は特定の業務スキルや知見、ノウハウを持っていなくても契約を行うことが可能だと言われています。

顧問契約のメリット

顧問契約がどのようなものなのか、わかったところで顧問契約を結ぶことのメリットを解説していきます。

複数の企業に携わることによって人脈のパイプができる

会社員として1つの企業で働いていると、関わっている業界や人物像などはどうしても狭まってしまう傾向があります。しかし、顧問として働くことによって業界や職種の垣根を超えて活躍することが可能です。顧問として働いているからこそ出会える人も多いでしょう。

企業にとらわれず自由に仕事ができる

ここ数年で働き方改革関連法が施行され、フレックス制度や在宅勤務など、これまでよりも柔軟な働き方が可能になっていることは皆さんご存知だと思います。実は、顧問として活躍している人の中には、企業に勤めている方も少なくありません。

働き方改革をうまく活用し、会社員と顧問の二足のわらじを履くことで、自分自身のキャリアアップにつなげることができます。企業の枠にとらわれずに自由に働くことができる点も顧問として働くメリットだと言えるでしょう。

顧問契約のデメリット

顧問契約を行うことのデメリットとして挙げられるのがこちらの3つです。メリットがあれば、もちろんデメリットもありますので注意しましょう。

収入の安定さは担保されない

雇用形態にもよりますが、仮に常駐型ではない顧問の場合は基本的に成果物を納品しなければ報酬は発生しません。長期間による案件であればあるほど、支払われる期日が遅くなるということです。安定した収入を得たいと思っている場合は、毎月コンスタントに報酬が支払われる契約内容とすることをオススメします。

成果や結果が重視される

顧問として企業と契約を行うと、どうしても成果や結果を重要視されがちです。それは、専門的な知識を持った人物として高い報酬を支払っていることが理由です。せっかく高い報酬を支払っているのであれば、費用対効果を求めるのは企業として当然のことです。顧問として働く上で、提供するスキルや成果物は高いクオリティが求められることを肝に銘じておきましょう。

顧問契約をするにあたって知っておきたいこと

顧問契約を結ぶ場合、事前に注意しなければいけないポイントが2つあります。どのような点に注意しなければいけないのかをみてみましょう。

顧問に対する懸念事項とその対策方法

企業に対して、専門的な知識を元にしてアドバイスを行うのが顧問の役割です。しかし、顧問という役職は会社法に規定がなく、企業によって役割は大きく異なるのです。そのため、顧問という立場が外側から見えづらいと言われることもしばしばあります。

顧問というと、トップで企業を引っ張ってきた人物の名誉職として用意されているイメージがいまだに根強く残っています。また、社員や株主などから顧問に支払われている報酬に対する貢献度や費用対効果がわかりにくいと言われることもあるのです。

そのような時に参考にしていただきたいのが、経済産業省が示している顧問や相談役についてのガイドライン(参考:コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン))です。

このガイドラインには、顧問や相談役のあり方として、企業が顧問に期待する役割を明確化することや、それに見合った待遇を設定すること、そしてこのような判断を行うプロセスの透明化を図ることなどが定められています。

顧問に対する懸念事項に対する対策方法として参考にしてみてはいかがでしょうか。

顧問の役割を明確化すること

顧問は、皆さんご存じの法律や税務から、マーケティングなど多岐にわたり、その道のプロフェッショナルとして顧問契約を行います。プロフェッショナルの立場から企業に対してアドバイスを行うのが仕事ですが、あらかじめ顧問として依頼したい仕事の範囲を定めておくことが大切です。

仮に税務関係の顧問として契約を結んだ場合、もちろん顧問は税務の業務を行いますがもしかすると自分が想像した以上の業務量を任されることもあるかもしれません。そんな時に、専門性の非常に高い業務を依頼されたとします。そうなった場合、対応できずにギクシャクしてしまうことも考えられます。そのようなことにならないために、あらかじめ顧問としての役割を明確化しておくことが大切です。

顧問としての役割を明確化することで、トラブルを防ぐことができますし、業務量に見合った報酬を求めることができます。

ここ数年で増加しているのが「実務型顧問」と呼ばれる顧問のあり方です。実務型とあるように、実際に現場の社員とともに業務を行うことでこれまで培った経験をより発揮することができる顧問契約となっています。

まとめ

今回は、顧問契約を結ぶことのメリットとデメリットについて解説を行いました。新しい働き方、新しい副業として今注目を集めている顧問。企業としても顧問契約を行うことはメリットがありますし、顧問として働くことはあなた自身にとっても有意義な時間となるでしょう。

「顧問として働きたいが迷っている」「顧問契約を行って新しい働き方を手に入れたい」そう思っている方はぜひ人材派遣会社にご相談ください。